▼05/11(23:39)
真夜中、目を覚ますとキャラバンで寝ていた神代がいなかった。まさか、と嫌な予感が過ったがもう彼女はエルドラドに操られる必要はない。それを思い出してほっとする。しかしどこに行ったのだろう、気になって周りを起こさないようにキャラバンを抜け出す。
パッチワークフィールド、メンバーとの特訓のためとはいえ、こう不気味なところにはあまりいたくはない。しかも夜だから余計に。
「…神代どうしたんだ」
「剣城さんこそどうして」
キャラバンをすぐ出た場所にある倒れていた古木に神代は座っていた。神代曰く、眠れなかったから外の空気を吸いに来たらしい。
「また、お前がいなくなるのは嫌だからな」
「…私だって、嫌」
話に聞いたが、俺がサッカーをしていないパラレルワールドがあって、そこの俺は雷門は勿論、神代のことなんて一切知らなかったらしい。俺の知らないところでそんなことがあったなんて少しショックだ。
「エルドラドの件はもう終わったし、私はいなくならないよ」
「…それなら良い」
「……剣城さんも、いなくならないで」
「…ああ」
手を引かれるままそのまま神代の隣に座る。安心したのか何なのか、睡魔が襲ってきたのは神代も同じらしい。肩に乗る神代の頭。それを確認して欠伸ひとつ、キャラバンに戻らなきゃとは思ったが睡魔に勝てず、そのまま眠りにつくのだ。