05/03(07:36)

「お前、俺様の写真を撮りたいんだろう?」

突然投げ掛けられたその声に驚いてザナークを見れば、彼は私の手にするカメラを指差し誇らしげな顔をして座っていた。…私はたまたま通りかかっただけで、決して彼を撮るために通ったわけじゃない。

「別にそんなことない」
「そうだろう、そう言うと思った…今何と言った?」
「撮りたいなんて、一言も言ってない」

はっきりとそう言えば、ザナークの驚いた顔。自分のペースを崩されると少し慌てるのが、少し面白い。そう思った瞬間にはもうカメラのシャッターを押していた。撮る気なんて全然なかったのに。

「撮った、それじゃ」

タッと駆け出して元々こんな所素通りして行くはずだった水鳥ちゃんたちのいるところに向かう。てっきり彼は追い掛けてくるのだと思ったけど、そんなことはなかった。…つまらないの。なんて、思うのはナイショ。
原像して気がついたけど、いきなり撮ったのにちゃっかりとカメラ目線と表情を決める彼。少し憎い。

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -