▼02/22(20:15)
※猫の日
にゃあ。小さな鳴き声が足元から聞こえ、視線を落とすとそこには小さな子猫が一匹いた。驚いて小さく悲鳴をあげれば、隣のバンが何だとこちらを見た。
「猫だね」
「猫ね」
バンがしゃがみこみ、その子猫に手を伸ばす。逃げる様子もなく子猫はされるがままバンに撫でられていた。私も触れてみたくてそっと手を伸ばしてみたけど、子猫はビクリと身体を揺らしてそのまま逃げ出してしまった。
「なんで私は駄目なのよ」
「アミが怖かったんじゃない?」
「…バン?」
「ごめん、うそうそ」
笑いながら訂正するバンに大きなため息をつく。まったくもう、本当に失礼しちゃうわ。
「……アミ、何で俺を撫でてるのさ」
「バンなら逃げないと思って」
「逃げないけどさ」
頭を撫でていた私の手をそっと手に取り、その反対の手でバンは私の頭を撫でた。ちょうどさっきまで私のしていたこと。少し恥ずかしいかもしれない。
「俺はこっちのが良いなあ」
「…バンの馬鹿」