03/24(22:15)

「あれ、キリトじゃん!」

まだ住み慣れないこの土地で自分の名前を呼ぶ人物は限られている。現に声の主は花咲ランという1人の少女。顔見知りだ。
この国の総理大臣にLBXプレイヤーとして認められ、異国の地に来て早数週間。いつか誰かしらと会うとは思ったが、こいつだとは思いもしなかった。

「そういやアンタこっちに移り住んできたんだっけ?拓也さんが言ってた気がする」
「ああ、そうだよ」
「ふーん、意外だなあ」
「…何が」
「こういう雇われるの、好きじゃないのかと思ってたからさ。それともまた何か企んでるの?」
「何も企んでないからその構えはやめろ」

この女は空手とかいう武術を使うらしい。以前オタクロスが食らったのをこの目で見ているから、威力も知っているし尚更食らうのは嫌である。

「そっかあ、つまりキリトにもやりたいことが出来たってこと?」
「どうしてそうなる」
「だって、やりたくないことやる為にわざわざ日本に来たとは思えないもん!」

でしょ?そう付け加える花咲に思わず口元が緩む。そういう考えも、なくはない。

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