03/22(18:29)

「フランは花が好きなんだってね」
「…誰から聞いたの?」
「ヒロからだよ?」

悪びれた様子もなくそう答えた天馬。それを知ったとして貴方には関係ないでしょう。そう言いそうになるけどそれは我慢する。ここで変に疑われたら計画が台無しになってしまうから。

「ねえ、フラン。後ろ向いて」
「?」

何をする気なのだろう。疑問に思ったけど天馬が急かすものだから、大人しく後ろを向いた。すると私の頭上から舞い降りる小さなものたち。手の平で受け止め、それを見る。小さなものの正体は色とりどり花びらだった。慌てて振り返り天馬を見る。

「これは」
「あ、安心して!落ちていた花びらを集めたから花は摘み取ってなんかないよ!」
「そういうことじゃなくて、どうしてこんなこと…」

天馬はきょとんとした顔で私を見つめ、そして笑い出す。

「フランに笑ってほしいから、それだけだよ!」

当たり前のことように彼はそう言ってまた笑う。どうしよう、とても、胸が痛い。

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