01/01(22:20)

「あけおめ」

サッカー部のみんなで初詣に行こう、誰かの提案でそうなった。正月ぐらいゆっくりしたいけど、こういうのも悪くない。集合場所へ行く為に、トレードマークのマフラーをつけて家を出ると玄関近くにかなり着膨れをした木瀧がいた。

「どうしたんだよ」
「真狩待ってた、お前もみんなと初詣行くだろ」

真っ赤になった鼻を啜りながら木瀧がそう言う。吐き出す息の白さが、寒そうな姿を一層引き立てた。

「来てたならピンポンぐらい鳴らせ」
「別に来たばかりだったし」
「嘘つくなよ、鼻真っ赤にして」

俺の家と木瀧の家はそう遠くないし、歩いている間に冷えたという線はない。ポケットに突っ込んでいた手を出して、木瀧の鼻を摘まむ。見た目通り鼻はかなり冷たくなっていた。

「は、な、せ」
「あぁ、悪かったな」
「たく」

さくさくと無言で雪道を進む俺たち。ふと去年も2人で神社まで言ったな、と思い出す。

「去年は2人で神社まで願掛け行ったよな」
「俺もそれ思い出してた。2人で白恋のレギュラーになれますようにーって」
「え」
「は」
「木瀧は2人で願ってくれたのか」
「は、真狩は違うのか」
「…」
「視線反らすな反らすな」

うわ、恥ずかしいと木瀧が俯きながら呟く。恥ずかしいのはこっちだ、自分のことばかり考えてた俺が恥ずかしいじゃないか。

「け、結果的に2人でレギュラーになれたし、良いよな」
「お、おう」

気まずいから早くみんなのいる神社についてほしい、切実にそう感じる元旦の朝だった。





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