02/04(21:43)

寒い。この地に着いての感想はそれだけ。一面に広がる白銀の世界が前髪越しでも眩しくて目を細めて、ため息混じりに白い息を吐き出した。

「ねえ、ヤシャ」

一緒にここへ来た仲間の名を呼ぶ。けど、返事はない。何なんだ。隣にいる彼女を見上げて、それから思わず息を飲んだ。
彼女の出身地は雪が降らないと聞いていた。そのためか初めて見た雪に興奮している様子。頬は赤く紅潮させて、それからきらきら光る赤い瞳。雪に見とれるなんて、ヤシャも女の子なんだとそう思った。

「メイズ」
「なあに、ヤシャ」
「雪合戦、しようぜ」

にやりと目を細めて悪戯っぽく笑うヤシャ。前言撤回、ヤシャはヤシャだ。まあ、この方が彼女らしくて僕はそれが良いのだけど。
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