01/14(20:30)

※一個前の続き


あ。
お互いにそんな声が漏れた。私の隣にいた松風さんはキョトンとした顔で「知り合いなの?」と首を傾げる。私は曖昧に「顔、見知り?」と答えた。


松風さんたちがサッカーの練習をやりはじめて、私とその“顔見知り”はベンチにポツンと座っていた。何故こうなった、と聞かれれば只の成り行きである。私も今すぐこの場から立ち去りたい身であるから。

「…久しぶりだな、とでも言うべきか」
「…それだと私と貴方が元々知り合いだったみたいじゃない」
「先程松風天馬に顔見知りと言っていた」
「私は貴方の顔しか知らないのよ」
「…私の名はアルファだ」
「アルファ?変な名前ね」
「管理コード、あだ名のようなものだ。気にするな」

そっぽ向いたアルファさんの横顔をぼんやり眺める。尖った耳、生気を感じさせない瞳、変な髪型。会った時と違うことと言えば、雷門のユニホームを着ていることぐらい。

「サッカーを排除するって、言ってなかった?」
「…松風天馬にサッカーを教えられた」
「…サッカー、楽しい?」
「……YES」

小さくそう答えたアルファさん。話の流れはよく分からないのだけど、洗脳されていたことは許してみようと、そう思った。
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