▼01/01(13:40)
※ネタバレ
フェイは戻ってきてからずっとどこか遠くを眺めて、ぼんやりすることが多くなった。松風天馬のところへ送る前はこんなことはなかった。笑顔を振りまき僕たちを元気にしてくれたフェイはここにはいない。
「フェイ、フェイ」
「……サル?」
「やっと気がついてくれたね」
「え、僕そんなにぼんやりしてた?」
僕が苦笑しながら頷けば、フェイは「嘘ぉ」なんて抜いた声を出しながら両手で頬を抑えながら笑う。やっと笑ってくれたけどやっぱり違う。
「何を、考えていた?」
「…別に大したことじゃないよ」
「そっか、もうフェイにとっては松風天馬は大したことじゃないんだね」
「っ」
安心したよ、なんて続けながら笑う僕。眉を潜めて目を反らすフェイ。
なんでそんな顔するの?…なんて、意地悪なことを言う僕を許して、フェイ。