佐田雛


「佐田!」
凛とした声がグラウンドに響いた、とその瞬間に顔面に衝撃が走った。どうやら、ぼーっとしていた俺にボールが当たってしまったらしく。地面に倒れた俺に真っ青な顔で駆け寄って来たのは、俺の名を叫んだ雛乃で。なに泣きそうな顔をしてるんだよ、ボール蹴ったのお前じゃないだろ。へらりと雛乃に笑いかけて意識が落ちた。


「…佐田?」
「………頭痛い」
「当たり前でしょう、太陽のシュートが頭に直撃したんですから」
呆れた口調で言う雛乃に記憶がないなあ、と呟けば眉間にシワを寄せてまた怒鳴りそうな体勢をとった。
「あーあー落ち着けって、ここ保健室だろ」
「落ち着けますか!僕は貴方を心配して…」
「うん、普段大声出さないお前が叫んでるんだから、分かってる」
「…佐田のばか」
普段とは逆だなあ、なんて呑気に思いながら泣きそうな雛乃の背中に腕を回した。





意味わかんね




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