ザナガン


「ザナーク=アバロニク」
「…急になんだ」
「君には名前があって良いね、と、思っただけだよ」
「てめぇにも名前ぐらいあるだろう。…あぁ、それはエルドラドのジジイ共がつけた“記号”か」
「…そう、これは議長たちのくれた“記号”だ。僕には名前がない」
「…本当の名は覚えてねぇのか」
「ああ、何しろ僕は幼い頃からエルドラドに所属しているからね。両親のくれた名前なんて忘れてしまったよ。勿論このA級管理者コードを貰う以前の名前ならいくつかあるけど」

聞きたいかい?目を細めてそう言う奴の微笑みが憎かった。



∵偽りの呼吸



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