円秋


あの人が亡くなったらしい。妻にしたあの時のマネージャーを残して、交通事故で。私自身が自覚したのはあの人のお葬式に参列した時で。みんなみんな泣いていた。廃部寸前のサッカー部に入ってくれた部員のあの子たちも、共に世界一を手にしたあの子たちも、あの人の教え子たちも。私はなんだか泣けなくて、それが情けなくて情けなくて。辛くて式場を抜け出す時にちらりと見たあの人の奥さんの泣き顔。幸せにするって、私の分も約束したのに。嘘つきなんだから。円堂くんのばか。




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