円秋


あの人が私と同じマネージャーの女の子と付き合い始めたのを知って、私は心からそれを祝福した。「幸せにしてあげて」笑って言えばあの人は「当たり前だろ!」って照れ臭そうに言うの。それがなんだか可笑しくて、でも悲しくて、ぽろりと涙が出てきちゃってね。慌てて隠せばあの人は「ごめんな」って謝ったの。いつもいつも鈍感だったな癖に、こういう時だけ、鋭いんだから。涙を拭って、今までで一番の笑顔で言ってやるの「私の分を幸せにしてあげて!」そう言ったらあの人は困ったように笑うけど返事をした。これが私の精一杯の、復讐。




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テーマ「人外ファンタジー」
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