蘭マサ


腹部に痛みを感じた。それに気がついた時には俺は地面に膝をついて咳き込んでいた。目の前に立っているのは霧野先輩。あぁこの人に殴られたのか。女みたいな顔してひどいことするなぁ。
「何、笑ってるんだよ」
「嬉しいんですよ、俺」
「…お前マゾ?」
「そうですね、このまま霧野先輩に殴られて死ねるなら本望ですよ」
「気持ち悪いな、お前」
にこりと愛想良く笑うと蔑んだ目で霧野先輩は俺を見た。ぞわり、この悪寒は快感だ。



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テーマ「人外ファンタジー」
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