冬秋


「冬花さんは夏休みの宿題終わらせた?」
「うん、あとは残りの日の日記だけ」
「やっぱり、私も一緒」

ふふ、とお互い笑ってサッカーに励む部員たちをベンチでドリンクを並べながら話合う。
例えマネージャーだからと言ってもサッカー部はほぼ毎日部活がある、だからこつこつと課題を減らすことが必要なわけで。多分、夏未さんも音無さんも終わっているのだろう。部員の方は、怪しい人が多いのだけど。

「でも日記の内容っていつも一緒になっちゃうわよね。毎日が部活部活、それしか書くことがないもの。考えるのが毎日大変!」
「そうですよね、せめて最後に何か別のこと、書きたいかも」
「そうだ。今度の日曜日、冬花さんは暇?」
「?うん、暇ですよ」
「どこか2人でお出掛けしない?せめて最後ぐらい何か日記に書きたくない?」

びっくりした。秋さんにお誘いを受けるなんて。驚いたけどとても嬉しい。
しかも今度の日曜日と言えば夏休み最終日だ。夏休み最後に最高の想い出が出来てしまう、嬉しくて嬉しくて、私は笑顔でその提案に賛成した。




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テーマ「人外ファンタジー」
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