染秋


「あら…」

今朝届いた小包を開けると思わず漏れた言葉。中身を手にしながらいそいそと時計を確認しつつ、電話をかける。

「染岡くん」
『あぁ、なんだ木野か』
「プレゼント、ありがとう」
『届いたのか』
「うん」

目に前にかざすと光でキラキラと光る、そのネックレス。中央には控えめでも綺麗に輝く宝石。

「でもこんな高そうなの悪いわ」
『んなこと気にすんな。会えない代わりだと思ってくれ』
「…うん」
『近々、帰国出来そうなんだ。その時、飯食わせてくれよ』

そんなことで良いの?なんて聞けばきっと君は怒るから、分かったって素直に返事をする。電話越しに聞こえた満足そうな笑い声が愛しく感じた。




染秋の国境の壁がつらい




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