◎染秋 「あら…」 今朝届いた小包を開けると思わず漏れた言葉。中身を手にしながらいそいそと時計を確認しつつ、電話をかける。 「染岡くん」 『あぁ、なんだ木野か』 「プレゼント、ありがとう」 『届いたのか』 「うん」 目に前にかざすと光でキラキラと光る、そのネックレス。中央には控えめでも綺麗に輝く宝石。 「でもこんな高そうなの悪いわ」 『んなこと気にすんな。会えない代わりだと思ってくれ』 「…うん」 『近々、帰国出来そうなんだ。その時、飯食わせてくれよ』 そんなことで良いの?なんて聞けばきっと君は怒るから、分かったって素直に返事をする。電話越しに聞こえた満足そうな笑い声が愛しく感じた。 染秋の国境の壁がつらい ← |