◎響影 ※ヤング 「…」 「…」 何故こいつ、響木と放課後静かな教室にいなきゃいけないのか。理由は明確で全てはクラス全員平等にやってくる日直当番、だ。あとは日誌の反省を書くのみだが、自分で書くと言った響木の手は一向に動かない。 「おい響木、いい加減に何か」 「ん、あぁ…そうだな」 「そうだなってお前、自分で書くと言ったんだから、さっさと」 「こうでもしないとお前と居られないからな」 …ああ、そういえばこいつは馬鹿だった。にやりと悪そうに笑う響木にため息をついて、椅子から立ち上がった。響木にどこに行くんだと言われるが下らない、帰るに決まってる。そう言い切って教室を後にする。 下校時間からしばらくたった廊下は、夕日が差し込んで静かだった。廊下を歩きながら再びため息をつく、本当に馬鹿だ、あいつは。ドッドッとうるさい心臓、最悪だ。 ← |