響影


※ヤング


「…」
「…」

何故こいつ、響木と放課後静かな教室にいなきゃいけないのか。理由は明確で全てはクラス全員平等にやってくる日直当番、だ。あとは日誌の反省を書くのみだが、自分で書くと言った響木の手は一向に動かない。

「おい響木、いい加減に何か」
「ん、あぁ…そうだな」
「そうだなってお前、自分で書くと言ったんだから、さっさと」
「こうでもしないとお前と居られないからな」

…ああ、そういえばこいつは馬鹿だった。にやりと悪そうに笑う響木にため息をついて、椅子から立ち上がった。響木にどこに行くんだと言われるが下らない、帰るに決まってる。そう言い切って教室を後にする。
下校時間からしばらくたった廊下は、夕日が差し込んで静かだった。廊下を歩きながら再びため息をつく、本当に馬鹿だ、あいつは。ドッドッとうるさい心臓、最悪だ。




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テーマ「人外ファンタジー」
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