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12月。街の色は赤と緑が主張を始めて、お決まりの音楽が通行人を包み込む。子どもは目を輝かせ、大人はそれを叶えるために忙しなく動き出す。


もうすぐクリスマスです。





いつだったか、たぶん、11月に言った気がする。今日は丸井んちで丸井の作ったケーキを3人で食らう、非リア充の会。いや、名前は私が勝手に考えたんだけど。まぁそれは置いといて、今からケーキを食べます。お腹空いた。



「おじゃまー」

「お、やっと来たな。材料はこっちで用意しといたから!」



チャイムを鳴らして玄関を開けると、笑顔を浮かべる丸井の後ろでバツ印を作る仁王と目が合った。嫌な予感だ。てか、材料って何。今日はケーキ作るぞー、って、は?そんなの聞いてない!



「だって言ってねーし。てか、言ったらお前拒否るだろ。だから強制!材料は俺持ちだし、別にいいだろぃ?」

「ブンちゃんは言いだしたら聞かん。諦めるぜよ」

「あーはいはい、分かりましたよー」




丸井にケーキ作ってくれって言ったの私だしね、まぁいいさ。美味しいケーキが食べられたら!すべてはチョコケーキちゃんのため!…でもさ、何この状況。思わず笑っちゃうね。



「あは。ねーまるいー。クリームぶちまけたー」

「はぁああ?!何やってんだよ!」

「イチゴ美味」

「お前はどさくさに紛れて食うなっ。あーもう!」



ボウルが手から滑ってクリームと床がこんにちはしました。慣れないことするとこうなるよ。いや、これはさすがにないか。てか笑える。今どき漫画でもこんなこと起きないって。食パンくわえて学校まで走るってシチュエーション並みに希少価値あるわ。いやー…それにしても、普段親の手伝いしてないのがバレバレだな。どうする私。



「私、今日から親の手伝いすることにする」

「そうしてくれ…」

「イチゴ美味ー」

「あ、私も食べるー」

「ハァ……」





ケーキを食べました。


希少価値のある体験をした、12月のとある日のこと。ちなみにケーキは市販の物を割り勘で購入しました。




20111204~20111230
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