笑い声 | ナノ







※短い
※いつにも増して意味不明です
※来神です











くすりと黒い影が小さく笑った。俺は見事にその笑みに魅せられおもわず立ち止まる。周りは真っ青の空間で、その中にぽつんと黒い影が浮かんでいるのはとても異様に思えた。
光も何もない、解るのは一面の青と、目の前の黒い影のみ。光がないのだから俺が青に飲み込まれても可笑しくないはずなのだが、まるで一線を越えられないように、まるで次元が違うかのように、俺は自身を保ってここに佇んでいた。
目の前の影が再び笑う。くすり、くすりと断続的に、一定のリズムも保たず。
何故笑っているのかはわからない。
何故俺がここにいて、何故こんな所にいるかもわからない。
そんな中影がこちらにゆっくりと微笑みかける。綺麗だ、咄嗟にそう思ったが、所詮影は影。顔すら、表情すら闇を思う黒で塗り潰されているのに、何故俺は綺麗だと思ったのか。
わからない。
わからないわからない。
....
目の前の影が、口を開いた気がした。








「シズちゃん」

はっ、と跳ねるように目を開く。俺の視界を出迎えたのは、真っ赤な赤い瞳。……を持った臨也と、見慣れた教室の天井だった。
「どうしたの、シズちゃん」
俺を覗き込むように見つめている臨也は真剣そのもので、綺麗な形をした唇が静かに言葉を紡ぐ。
「汗だくだよ」
そっと俺の前髪を避けながら額に置かれた臨也の手は冷たくて、何故だか先程の夢を思い出した。
一面の青。目の前の、影。
思い出したらなんだか急に映像が脳裏を駆け巡り俺を襲う。何故だかやたらリアルな映像…いや、夢。
影が笑った、それを綺麗だと思った、影が口を開いた。
――それで、
「シズちゃん?」
怪訝そうな声に我にかえると、先程まで真剣な表情だった臨也は声の通り眉間に皺を寄せていた。形のよい眉の下方にある、綺麗な赤い瞳。ああ、臨也だ、そう思って小さく安堵。
「どうしたの、なんか変だよ」
変って、何が。
「なんでそんな怯えたような顔してるの?」
怯え?嘘だろ。
「怖い夢でも見たの?」
見てねえよガキじゃねえし。……いや、でも、……見た、か。
「大丈夫だよ」
何がだよ。
「…大丈夫。俺が、いるから」
ぎゅう。臨也の細い腕が俺の体を抱きしめた。首筋に当たる柔らかな質のいい黒髪が擽ったい。
「大丈夫。安心して。誰も、シズちゃんには触れさせないから」
なんだそれ。
臨也は今何を思ってそんなことを言っているんだろう。誰も、だなんて、家族だって新羅だって門田だって、普通に俺に触れるのに。
臨也は何を考えて、そんなことを思ったんだろう。
腕に力を籠められて、体と体が更に密着する。どく、どく。どちらのともとれる一定のリズムを保った心音が、2人の体に熱を点す。
「シズちゃんは、怖がりさんだもんね」
あはは、そう笑った振動がこちらにまで響き、無意識に今まで閉ざしっぱなしであった俺の口が開いた。
「そんなこと、ねえよ」
目を醒ましてから初めて口に出した声は僅かに枯れている。先程の夢で喉でもやられたか。
「お前は相変わらず変だよな」
そっと両手を華奢な背中に回す。俺の腕の力を少しでも強めたら簡単に壊れそうな背中は、胸は、俺の心を充分なくらい安らかにしてくれた。

















『…………静雄、』
影は、綺麗に哀しく微笑んで、美しく儚く静かに消えていった。
















俺は、気付かない。
シズちゃんが夢にあいつを見たなんて、俺は気付かない。
シズちゃんは俺の恋人だ。
俺はシズちゃんを愛していて、シズちゃんも俺を愛してくれている。
だからあいつなんかに渡さない。
もし俺の大好きな恋人に手なんか出したら、それこそ君を、君の周りを酷くするからね。







泣く泣く笑い声。








_______

………(^ω^)?
意味がわからなくてごめんなさい。
ちなみに影は幽霊の類を指してる訳ではありません。
まあ詳しくは皆さんのご想像にお任せします!
ちなみに私にもよく分かってません←
最初は派生キャラのつもりだったんですがね´ω`おかげで後味の悪い文になった!
そしてタイトルがいつも迷子ですね(^ρ^)


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -