雷 | ナノ





ごろごろっびかっ

大層な音をたて、光が街に落ちていく。空は雲で覆い尽くされ、地に大雨を降らせた。
臨也は街を一瞥出来る窓に手を沿えた。ざあざあと強い雨に交ざって落ちる雷は、青白い。
特に雷が怖くない臨也は溜息をついた。これでは停電するんじゃないか。それだけが気掛かりで、パソコンの電源を再確認する。
部屋の奥で何やら呻き声が聞こえ、臨也は再度溜息をつく、ちらりと振り向けば見える金髪、その側に寄り添う黒髪。部屋の奥でかなりびびっているのが金髪長身のデリックで、脇で宥めているのがサイケだった。

「デリックー。大丈夫だよー」

「嫌だ嫌だ!光ってんじゃねーか!」

「んもー、シズくんも津軽も怖がってないのに、なんでデリックだけ?」

「知らねえよ!ばか!」

「あっバカって言った!ひどい!」

デリックが視線を臨也に寄越す。縋っているような視線だが、例え人を動かす事に長けた臨也でも、天災はどうにもできない。
まあ、おまじない程度に優しい言葉でも掛けておこう。そう思って「大丈夫だよ」と言ったのだが、逆効果だったようだ。涙目で思いっきり反抗されてしまった。

「ほら、音遠くなったよ!元気出してー」

「…う、」

「こんなになるなら、シズくん家にいればよかったね」

「そ、そうだけど、静雄ん家も怖そう…」

いつもはデリックは静雄と津軽と一緒に生活をしている。しかし、タイミング悪く今日はデリックが一人で遊びに来ていた。その遊びには日々也に会うことも含まれていたのだが、あいにくすれ違ってしまった。日々也は日々也で静雄の家に行ってしまったのだ。
デリックが臨也の家に着いた所で振り出した雨は、今では雷を連れ警報が出ている程に成長し、デリックの恐怖心をひたすらに煽っていた。

「日々也くんがいたらなあ、デリックも少しは落ち着けたよねえ」





 ̄ ̄ ̄ ̄
終わりです。ちょっと中途半端過ぎますね、すみません…

この後、土砂降りの雨の中日々也が帰ってきます。理由は色々と。
あとは落ち着かせるために、入浴&着替えした日々也はデリックとのんびーり甘いものでも食べればいいんじゃないでしょうか。リア充め!




人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -