どうやらシズちゃんは俺の事を悪魔とかゲス野郎とか思っているみたいだ。ごめんとか、大丈夫?とか、そういうのを本心から言えないような奴だと、思っているみたい。 そんな事ないのになあ。俺だって悪いと思う事くらいあるし、増しては心配だって人並みにするし、気だって遣う。まあ、それをシズちゃんに向けた事はないんだけど。 だから、俺はいい加減素直になる事に決めました。シズちゃんが俺の前からいなくなる前に。 「ごめんね」 シズちゃんの事、本当は嫌いじゃないんだよ、そこまでは。とか、せっかく綺麗な顔してるのに傷付けちゃって、血出て痛くないのかな、ヒリヒリしないものなのかな。とか、そんなのは言えないので、俺は口下手ながらも、4文字、きちんと口に出しました。 声は震えていない。目だって霞んでいない。それなのに視界がぶれはじめたのは、頭がパンクし始めてるからだろうか。 情報屋の俺が、こんな事で情けないったらありゃしない。 「シズちゃーん?」 「…ハッ てめっ、」 「うん」 「………テメエ、まともに謝れたんだな」 怒るのもすっぽかしてまじまじと俺を見る喧嘩人形。まともに謝れるだなんて、酷い言い草だ。 「俺が謝ったらおかしい?」 「……また何か考えてやがるのか」 「そりゃあ、常時何かしら思考は働かせてるけど」 くすくすと笑ってやれば、みるみるうちに元通りになっていく俺の頭を余所に、どんどんシズちゃんの眉間に皺が寄っていく。あーあー、綺麗な顔が勿体ない。そうだ、勿体ないから、元気が出るおまじないでもしてあげようか。 俺は恥ずかしい事がどうにも言えないから、代わりといっては何だけど。 「シーズちゃん」 そっと近付いて、その口に唇をくっつけてやれば、ほら、君はいつでも真っ赤になるんだ! きみに目印 ――――――― 書きたいものが迷子になったのが丸わかりですね^▽^ |