※武器擬人化主(=兎束)とコラボ
※絢さんは以前BSR&MSU武将に逆トリされてる⇒BSRトリ







「君は誰ー?」

「え、」


宛も無くぶらぶらと散歩。それは何時もなんだけどねー。
たまたま前に人が居たから話しかけてみると、その人は驚いたようにボクの方を振り返った。うーん、ボクは気配を消してなかったんだけど。
目が合った。瞬間―――疑問は、一段階上へと上がる。


「んー、違うなあ……君は、"何"?」


にこり、と笑ってみせる。前にコレを―――誰だったかな、ああ、奥州双竜か。それにしたら攻撃されたっけ、なーんてぼんやりと過去に思いを馳せる。
ボクにとってそれは意味の無い行為でしか無いんだけどね。


「何、って……私は絢ですけど」


呆気に取られたような表情で、絢と名乗った女子はボクにに向き直った。なんか新鮮ー。
そっか、と笑ってみせれば、つられてか、へらりと締まりの無い笑顔を見せた。疑問と違和感はますます募るばかり。
人じゃないボクでも分かる、乱世においては明らかな"異質"だった。


「そっかー、絢ね。ボクは兎束だよ」


それを悟らせないように、そのままの調子で名乗った。絢はといえば、覚えるように繰り返しボクの名前を呟いてる。
その隙に周りの気配をさっと探る。んむ、取り敢えずは大丈夫かな。


「ねえ絢、どうしてここにいるのー?」

「え?ああうん、そのー、……迷子です、ハイ」

「そうなんだー」


気まずそうに視線を泳がせながら、絢は小さく零した。迷子かあ、あれ、そういえば前にもそう言ってたのがいなかったっけ?
少しだけ考えて、思い出すのをやめた。だって意味ないしね。


「近くの村まで行くー?ボクも行くんだけど」

「え、マジで?!ありがとう兎束!助かる!」


いいえー、と形式だけの言葉を零す。絢は嬉しそうに笑っているだけで、多分気付いてない。勿論、それでいいけど、ね。
さくりさくり、枯れ葉を踏み締めながら道を進んでいく。風に飛ばされる葉の隙間に、影が落ちては消えていった。


「兎束はさ、ここら辺に住んでるの?」

「んーん。散歩ー」

「へー…って、危なくない?!」


ぎょっとした顔をする絢に、そーかなー?と返す。人の子如きが、ボクを壊せるはずが無いのにね。
絢はボクを人間だと思ってるらしい。ああ、無知とは何て恐ろしい!
それを殺しながら、にっこりと笑みを浮かべる。


「こうみえても、ボク結構強いんだよー?」

「そうなんだー…」


絢は感心したように頷く。うーん、此処まで素直だと逆に調子が狂うなあ。
鬱蒼たる森から漸く抜けて、景色が広がった。村はしっかり見えて、あとはもう一本道。


「絢、村はあそこだよ。もう迷わないでしょー?」

「え?ああうん、勿論!流石にねえ!」


そういうならその冷や汗は何なのー?とツッコもうとして止めた。そんな暇は無いんだった。
周囲への警戒は解かないまま、絢の背中を押す。んむ、すっごく間抜け面してるよ。


「それじゃあね、絢。気をつけなよー?」

「え、兎束も村に用があるんじゃ」

「んむ、あったんだけどねー…こっちじゃなかったんだ」


そう、"こちら"じゃない。勿論、わかった上でやったんだけど、ね。
謝る絢を村へ急かして、その背中を見送った。
あーあ、ボクらしくないよねー。自分でもビックリだよ。


「よくもまあ我慢出来たよねえ、ほーんと。影がちらついて気分が悪いよ」


一瞬にして舞う、鮮紅色。葉にまで飛び散った、その様はまるで紅葉のよう。
ざわり蠢く暗闇はボクの周りに集まって、生きているように影を屠っていく。人は何て言うんだったかな、"ゴシュウショウサマ"、だっけ?


「この乱世には不要な言葉だが……絢、精々それを唱えられぬように努めることだな」


くつり、届かない言葉を殺した笑いで切り捨てる。
ボクらしくない、けど悪くも無いかな。













(あー!絢!おまえどこ行ってたんだよ!)
(ゴメン武蔵!でも助かったよ、兎束って子が案内してくれたの)
(とつかー?どっかで聞いた気がするぞ……?)
(うわっ珍しい!武蔵が考え事?!)

---------------------------------

Thanks 3rd Anniversary!

邑炉さまリク、武器擬人化主シリーズとのコラボですw
ふらふら感が否めません、ごめんなさいorz

最初に書いてたらものっそシリアスになっちゃって、これはいただけない…!と急遽路線変更←
トリップしてきたから異質な絢さんと、猫を何匹も被る兎束に落ち着きましたwww


リクエストありがとうございます!





――――――――――――――――――――――

まず、3周年おめでとうございます!!
私が鷲さまのサイトで一番大好きな、武器擬人化主シリーズと当サイトの碧瑠璃の空のコラボをリクエストしたところ、こんなっ…俺得な…!!!ほんと毎度毎度すいません、そしてありがとうございます(土下座)
シリアスなのも気になったんですが、詳細聞いてみて路線変更した意味がわかりました…(笑)
いや、私的には全然大丈夫だったんですけどね!!←

鷲さまのサイトはTOPのbkmページよりいけますので、お話が気になった方は是非一度足を運んでみてくださいませ^^

今回は本当におめでとうございます!
そしてありがとうございました!






人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -