「たっけちよー!!」

「うぉ?!」


軽く地を蹴って、竹千代の背中に飛び付く。
けど竹千代は驚いただけで、倒れる様子は全くない。


「危ないだろう、絢!倒れたらどうするつもりだ?」

「倒れさせようとしてやったの!竹千代の馬鹿、空気読んでよ!KY!!」

「け、けぇわい?」


奥州の、えっと……だてむね?だか誰だかから教えてもらった言葉を使うと、竹千代は首を傾げてから、取り敢えず放してくれ、と私を引きはがした。
ちえっ、竹千代で暖を取ろうと思ったのに。


「それで、ワシに何か用か?」

「別に何も。強いて言えば、暖を取りに」


即答したら頭抱えられた。成長して様になるからムカつく。
べしべし手を叩いてたら、小さくため息をつかれた。


「……ワシの部屋に火鉢がある、来るか?」

「本当?行く行く!竹千代の部屋で春画漁りしなきゃ!」

「絢、目的が変わってるぞ」









「暖かいー…」


火鉢のすぐ横で身体を丸めては、絢はふやけたような笑みで呟く。
ワシは苦笑いしか出来なくて、手を火鉢に向けては暖を取っていた。


「あれ、竹千代も寒いの?」

「我慢出来ない程ではないが…それなりにはな」

「ふーん…」


絢はちょっと意外そうな顔をして、火鉢に手を向けた。
それも触るぎりぎりまで近づけるものだから、反射的に手を引っ張る。


「絢、触ったら火傷するぞ!」

「えー?ああうん、そうだねえ。それにしても、竹千代の手は暖かいねー」

「お、おいおい!」


ワシの手を逆に掴んでは、ほっぺたにスリスリとほお擦りしてくる。
猫みたいで可愛いとは思うが、絢は自分が女子だという自覚が薄いのか?
小さく溜息をつくと、絢は笑って手招きをする。


「なんだ?」

「竹千代の背中寄り掛かっていい?暖かそう!」


……忠勝、ワシは本当にどうしたらいい?









(あー…暖かいー…)
(そ、そうか…)

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ハッピーバレンタイン!

邑炉さまリク、『権現大好きなちょっと頭足りない幼なじみ夢主』でしたが…ただの阿呆の子に←
しかも話にオチがないw本当すいません鳩螺がすいません。←


リクエストありがとうございます!






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