06 はいどうも!! そんなわけで、一先ず甲斐に向かうことになりました。宮本武蔵とともに馬に乗っております。揺れて気持ち悪いですおえ。でもなかなか私のことを気づかってくれる様子で助かります。さっきからこの人は株が上昇しております。太陽の位置から推定するに今はだいたいお昼前だと思われます、隊長。お昼前…といえば? 『宮本武蔵ー』 「なんだよ、遼ー」 『お腹、減った』 ええ、イノシシ食べましたとも。でも人間って、いや生き物って何かしら活動してたらお腹ぺこぺこになるでしょ?え、ならない?そんなまさかー(棒読み) 「もう少しがまんしてろ、」 『えー!』 「おまえガキか!」 私の頭よりも結構上の方から声が聞こえる。なのに耳に響くような声の大きさ。鼓膜破れるんですけど…!!! 『ちなみにさ、もう少しっていうことは休憩するじゃん?どこ向かってるの』 「んー?京だな」 へーえ、ほーう、京ですか京!! テンションあがるよね!だってなんてったってお祭り騒ぎじゃないか!!どんちゃん騒ぎできるよう!!やっべ、テンションおかしすぎる。 「…遼、なんか息荒くねえか?」 『へっ、あ、ああああ…ごめんごめんなんでもないよ』 危うく宮本武蔵に変態扱いされるところでした。 「つーか、遼は何でおれさまのこと名字と名前くっつけて呼ぶんだよ、」 長いだろ、って言ってくる宮本武蔵。え、何これ…!!もしかして「しっしかたないからおれさまのこと特別に名前で呼んでくれてもいいんだからねっ」ってやつ?そ、そんな期待しても良いの?ねえ、良いの!? 『じゃあ、どう呼べば良い?』 「んー…そうだなーあ」 私がうきうきわくわく(私の中ではこのことをわきわきと言います)して返事を待っていると、 「武蔵さま、でどうだ!?」 『えっちょ、アレーオカシイナー』 おかしいおかしい…!!! え、うんまあ長政さまは良いよ。だってそういう感じだし。 でもさ、 『なくね?その候補だけは』 「はあ?むしろこの候補しかねーだろ!」 『いやいやいやいや、』 「しかもおまえのこと初めてみるやつもいるし、おれさまのことそう呼んでたらあんまり不審におもわねーだろ?」 あれ、宮本武蔵にしてはまともな考え… 「別にふたりでいるときまで強制はしねーよ」 『あ、もちろんそうだよね!よし、じゃあ人前では武蔵さまにするよ』 「おい、もちろんてどーゆーことだ!!」 『あーうるさいいい!!耳まで届いてうるさいんでトーンさげてもらえます!?』 「とー…?ってなんだ?」 『あ、すんません英語でした』 宮本武蔵にと一緒に馬に乗るのは、うるさいとこもあるけどめっちゃ楽しいです。 「そーいえば、何食いたい?」 『え、こっち来たばっかりで何も分かんないんですけど』 「じゃあ甘味な」 『いえあぁあああああ!!!』 「遼もうっせえ!!!」 目的地まであとちょっと! (そいえば気持ち悪いのは大丈夫になったのかー?) (ううん、今にも吐きそう) (うわ、おりろ!馬が可哀想だ!!!) (ちょ、そこまで言わないでえええ) 2011.1111 [しおりを挟む] |