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「そんで、オメーこれからどーすんだ?」
『…え?』


イノシシも食べ終わった後(ありがとう、イノシシ!!)、そう宮本武蔵が聞いてきた。私としてはこれからみんなに会いたいかなあなんて思ってるんだけど、


『それにしても…まずここどこ?』


そうなんだよ、起きたらすでにこんな森の中でクマさんなんかじゃなくてこいつに出会って、お逃げなさいとか生易しい言葉じゃなくて馬鹿馬鹿言われ…いやあ、お嬢さんツライわあ。


「ここは肥後だぜ」


肥…後?
(あんたがったどこさ、肥後さ、肥後どこさ、熊本さ)
私の脳裏にはその曲しか流れなかった。


『え、タヌキ?』
「は?」
『あんた…』
「タヌキは徳川だろ」


せんばやまにはタヌキがおってさ、それを猟師が鉄砲で撃ってさ、煮てさ、焼いてさ、食ってs…


『家康が危ないいいいいい!!!』
「いきなり何だよ!!」


もう地獄絵図しか思いつかなかったオチでした。


「会いてえ奴とかいねーのかよ」
『会いたい…あー、まず元親でしょ?んで長政さまにー幸村と真田さん、政宗とあと小十郎さんに兼続かな』
「へーえ」
『聞いといて興味ないのかよ』


何だよちっくしょーなんて思ってたら、その格好で会いに行くのかって聞かれた。この格好以外どうしたらいいの、全裸?全裸なのか?やってやんよおおおおお!!と意気込んでたら、

「死ぬんじゃねー?そんな格好だったら」


ふおう…ッ!!!なんて盲点!!!!


『え、やばいねこれ』
「おう」
『どうしたらいい私』
「おれさまについてくるか?」
『え、』


聞くところによると、宮本武蔵は島津のじっちゃんの使いで幸村のいる甲斐まで行くらしい。つまり、


「真田に会いに行くついでに遼のこと引きずりまわしてやるよ」
『え、引きずられんの』


こういうことらしい。
でもこんな異世界に一人で右往左往しながらみんなに会いに行くのは気が引けるっていうか、なんていうか…いや、戦に巻き込まれたくないし?だから宮本武蔵さえいれば結構安心できる旅だと思う。


『あ、じゃあよろしくお願いします』
「おう」


こうして私は宮本武蔵のパーティーに仲間入りした。


(とりあえず、着るものだな)
(お金は?)
(ない。だからぶんどる)
(全力でやめて)



2011.1004


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