03



「なあ、そういえばおまえ…名前なんていうんだ?」
『え、』


宮本武蔵と出会ってすぐ、本当にイノシシが襲ってきた。
(あのときは本当に死ぬかと思った)
そしたらあいつは石をひたすら投げつけてイノシシを倒した。
んで今、私は何故かさっきまで生きていたイノシシを食べている。
いやあ…案外美味しいものだね!!
ビックリしちゃったぜ!


「おい、聞いてんのかテメー!!!」
『うおう!?ちょ、石投げないで下さいよ!!馬鹿ですか、あんた馬鹿なんですか!?』
「うるせえ!馬鹿っていうやつが馬鹿なんだよばーか!!!」
『なんだと!!』


あれから一向に話が進まない。


「つーか、名前教えろよ!!」
『は!?私は遼です!!!』
「へーえ、遼か。馬鹿そうな名前〜」

ちょ、おま、そこになおれ。

え?失礼すぎないかい?
一応初対面だよ、私たち。
こいつほんとに脳みそ空っぽなんじゃないの?


『いって!!ちょっと、なんでいきなり殴るんですか!!』
「遼がおれさまに失礼なこと考えてたからだろ」


こっ…こいつ…!!!!
あの忍と同じ能力使いやがる。
油断ならないじゃんか!


「あ、おれさま宮本武蔵。よろしくな、遼」


なんだ、案外しっかりしてるじゃん。
ちょっとだけ見直したわー。


『よろしk――――いだだだだだだ!!!ちょっ…ええぇぇえええ痛い痛い痛い!!』


私が差し出された手を握った瞬間、思いっっっっっきり握られた。
ほら、ちょっと暇なときにクラスの男子が「握力比べしようぜ〜!!」なんて言って始める例のアレ(え、周りでやらないの?)


「はははは!オメー馬鹿だな!!」
『いや、笑顔とかおかしい!ねえ、そろそろはなし―――いっだだだ!!!!』


え、いや、何コイツ!!!
ドSか、そうなのか、受けて立ってや…痛いですごめんなさああああい!


「ま、そろそろ許してやるよ」
『そりゃありがたいです』

「ところで遼、どっから来たんだ?」


あ、やっぱりこの流れですか。
いやでもこいつ馬鹿だし、もしかしたら話通じるかも…?


『あのですね、私…未来から来ました』


暫く沈黙が続いた後に宮本武蔵から「未来?何だソレ、食えんのか?」いただきました。



(遼ってわけ分かんねえよな)
(あんたに言われたくない)


2011.1004


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