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「じゃあまたね、遼!!」

『うん、また明日ー!』


どうもこんにちは。

みんなが“むこう”に帰ってからもう1ヶ月が経とうとしていまして…私は学校に行くようになって、女子高生らしく普通に、平凡に日々を過ごしているわけです。





『ただいまー』


家に帰ってそう言っても返ってくるわけがなく、ただ静かな家に響くだけ。あんなに狭く見えたのに、私ひとりじゃ広すぎる。


『…まあ、みんなが無事なら良いけど』


ひとりそう呟き、とりあえずゲームをすることにした。






…その瞬間、



カチッ





『…ん?』




時計の針が進む音がやけに耳元で聞こえた気がした。周りを見回しても特に変化はない。


――――ふと、違和感に気づく
私ひとりしか家にいないにしろ…おかしい。




『ちょっと…静かすぎないかな?』



嫌な静けさに私は急に怖くなった。
…妙だ。

携帯をパーカーのポッケから取り出し、友人にメールしようと試みる。





『……え?』



携帯の画面に表示されている時計が17:08で止まっている。部屋にある時計を見ると同じように止まっていた。もらった金魚も硝子細工のようにきれいに静止していた。



『ど、どどどどどうして!?』




とりあえずパニックになる。
もうわけがわからない。




リン―――





『――――す、鈴の音?』




今度は綺麗に澄んだ音色が聞こえてくる。




リリィン―――リン




不規則なその音色を黙って聞いていたら、何故か立っていられなくなる。ガク、と膝が地についてしまった。


『頭―――いた…』



その音は止むことが無く、頭が割れそうになるくらいの頭痛におそわれる。意識を保つことが出来なくなってその場に崩れこむようにして倒れた。途切れる前に誰かの声が聞こえた気がした。




(おいでおいで)
(君は“運命”を変えることのできるただ一人の存在なの)



2011.0410

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