『たっただいまー…』





小十郎さんに横抱きにされたまま、帰宅の言葉を述べると誰かが向かってきた。






「…遼、てんめぇっ…!!」





伊達が怒り心頭で出迎えてくれた…が、すぐに血相を変えて、






「こっ…小十郎!?お前、何やってんだ?」




と聞いてきた。



きっと、何でそんなぐっちゃぐちゃになった私を抱えて帰ってきたんだ?って聞きたいんだと思う。





「遼が少々問題を起こしてしまいましてな…歩ける状態では無かったので、運んで参りました」




小十郎さんは別に何の問題も無いように、淡々と答える。





「お、おう!ご苦労だったな…?」





面を食らったような顔で伊達は言った。

それ以上何も聞いてこなかった。





「あ、お帰り二人とも…って遼ちゃん!?びしょ濡れだし泥だらけだし…っあぁもう!!朝ご飯の前にお風呂入っといで!!」





オカン佐助に風呂場へと連行される。

佐助が思い出したように足を止めて、伊達主従にこう言い残した。





「あ、右目の旦那はご飯運んでおいてもらえる?独眼竜の旦那は床掃除宜しくね!!」





佐助は早口で一気に捲し立てると風呂場へ入っていった。




((俺の立場って…))



二人で同じ事を考えながら自分に与えられた仕事を黙々とこなす伊達主従であった。



(ほら、冷えるから早く!!)
(わかってるって!!)



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