今日から恩返し篇の…スタートです!!






『むー…おふぁようごぜーまふ』


「何言ってるか全く分からないんだけど」




今日は良い天気ですね!
おはようございます、みなさん。


と爽やかに一言挨拶をしたかったのだけれども、私…朝弱いんですよ。

もう欠伸やらなんやらで、おはようございますも満足に言えませんでした。



「おはよ、遼ちゃん」

『…おはよ、佐助』

「あぁ、もう!女の子なんだからシャキッとしなさい!!とりあえず、顔洗っておいで?」

『…うむー』

「何その返事。ほら、分かったらさっさと行った行った!!」




佐助お母さん、朝からありがとう。

心の中でそうお礼を言ってから、洗面所に向かった。











『改めまして、おはよ!佐助!!』

「うん、おはよー遼ちゃん」



やっと爽やかな挨拶が出来ました。
佐助お母さんも嬉しそうに笑って挨拶を返してくれます。




「ちょっと遼ちゃん」

『ん?まだ何かあるの?佐助お母さん』

「うんそれ。その佐助お母さんって何、俺様なめられてるの?」

『お母さんという単語は、私の最大の敬意ですよ。佐助お母さん』

「やめようか、遼ちゃん。何だか俺様気持ち悪くなってきた」


『あ、小十郎お父さん!おはようございます!!』

「え、ちょっ…また無視!?」




私はぐちぐちうるさい佐助お母さんを無視して、小十郎お父さんに挨拶をしにいった。




「……………」

『っ痛!?いたたたたっ!ちょっ…何するんれすか!!』




小十郎お父さんが、私の頬を思いっきり横に引っ張った。



「何だその気持ち悪ぃ呼び名は…普通に呼べ、普通に」

『…おはようございます、小十郎さん』

「おう、」



ちっくしょう…!
小十郎お父さんは手強いなっ!!


呼び名を訂正されたことに少々文句をたれながら(勿論、心の中で)でも挨拶をちゃんと返してくれたことに喜びながら、私は愛情たっぷりの朝ごはんを食べることにした。




















『ごちそう様でした』




今日も佐助のご飯は美味しかったなー…。
1人でニヤニヤしていたらいきなり後ろから声をかけられた。



「遼どのっ、今日は某に付き合って下さると言っておられましたな?」

『あ、幸村!うん、幸村のしたいことしてあげるよ』

「ちょ、俺様は?」

『家事終わってからね』

「…ちぇーっ」




そう言うと佐助は、ふてくされた顔で洗濯をしに行った。




『さぁ幸村、何して欲しい?』

「うむ…では遼どの、両手を横に広げて欲しいでござる」

『りょっ…両手を?』



私はよく分からずに、両手を広げた。



すると、
















『っきゃぁああぁぁあ!!』


「どうした!?」



元親を筆頭に、私の叫び声を聞いたみんなが集まってきた。




「っっっ真田ァ!!!!てんめぇっ…何してやがる!!」


伊達が真っ先に怒鳴った。




「何を怒鳴られる、政宗どの。某はただやりたい事をしているだけでござる」



…幸村がやりたかった事は



“私を思いっきり抱きしめる事”



だった。




『あわっ…わっわ…』



私は驚きのあまり言葉が出てこず、口を金魚のようにパクパクさせる事しか出来なかった。


すると幸村が耳元で、










「遼も早く大丈夫だと言わぬか。さもなくば…」



と言ってきた。




ひっひぃぃぃぃ!!!?

くっくく黒幸村様降臨だっ…!!



言わなきゃやられる!!
色んな意味で!


身の危険を感じた私は、とっさに話し出した。




『あ、やっ私はだっ大丈夫だから!!みんな、もどっ戻って良いよ!ごっごごめんねー!!お騒がせして、』



うわー、何か今までに無いぐらい凄いどもったぞ。


私がそう言うと、みんなは戻って行った。




「…良くやったな、褒めてやるぞ」

『う…ありがとうございます』



何だか、今日の主導権は黒の方ですか?

あーあ、折角白幸村と何か出来ると思ってたのになー…。


とか思っていたら、



「…今日の主導権は、某でござる。安心なされよ」

『…お?』



なっ何か今…聞こえたような?




「…もう一度言うぞ?今日の主導権は某でござる」

『え…ふっ普通の?』

「…あぁ」



いーやっふーぃ!!

良かった、全力で良かったよ!!




『良かったよ!!幸村ァァァァ!!!!』



私は感動のあまり(そんなに感動でもない)幸村を抱きしめ返した。




「遼どの、今日は某…いや、俺に付き合ってもらうが…良いか?」



俺&ため口来た!
理想来た!



『いいですとも!』



黒幸村では無い、白幸村でこの感じが私の理想だったのだ。



「っっっ…遼!!」



幸村も私に応じて抱きしめ返してくれたのだが…








『ゆっ…ゆぎむらっ、ぐるじっ…痛…』

「はっ!もっ申し訳ない…!!」




凄い力強いですからね、貴方たち。

幸村の腕力で絞め殺されるところだった。




『…それで、幸村は他に何がしたい?』

「俺は…甘味が食べたい!!」

『かっ甘味?』



あぁ、甘いものか。



『どんなやつ?』

「うむ…けぇき、とやらが良いな」

『ケーキかぁ…あ、そうだ!!』




私は近くにあった財布を取った。



『ここら辺に友達がやってるケーキ屋があって、クーポンもあるんだけど…行く?』

「っ是非!!」



幸村は、千切れんばかりに尻尾を振りだした。




『じゃあ、支度しよっか』

「あぁ!!」



私たちは、それぞれ準備をしだした。



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