『うああぁぁぁっ…まーさーむーねぇっ!!』


全速力で元親のもとから逃げ出してきた私は、居間にあるソファーに座っていた政宗に泣きついた。



「なっ、なな何じゃいきなり!!朝っぱらから鬱陶しいぞ、遼!!」

『ひどい!!政宗のバカー!!』

「お前に馬鹿と言われる筋合いはないわ!馬鹿め!!」

「Oh〜…どうした、My Honey?」

『伊達ぇぇぇ!聞いてよ…元親が朝っぱらからいじめるんだよ…っ!!』

「いじめる?何されたんだ?」

『うっ…そ、れはー…』

「はっ…!!まさか、×××で××××な×××を…」

『そんな事はされてない!!』


「まぁ、とにかくだ。俺は愛しの遼の為に、一肌脱ぐぜ?」



すると伊達は、私の前で服を脱ぎ始めた。




『わあっ…!!愛しのとか意味わからないけどありがとう!だからっていってここで本当に服を脱ぐのはやめて?』

「服を脱ぐのはjokeだ。俺が西海の鬼を…シメてくるぜ」

『あ、流血沙汰だけはやめてね』

「All right.」



そう言い残すと、伊達は元親が居る私の部屋へと向かった。




「あ、おはようございます!遼どのっ」

『…え?』

「どうか…なされたのでござるか?」



あれ、幸っ…村?
昨日と全然違う…。




『ゆっ幸村、どの付けとござる無しって言ったよね…?』

「何の事でござるか?」

『え、昨日お風呂場で言ったじゃん』

「お風呂場…?申し訳ござらぬが、某昨日の記憶が全くないのでござる…」

『うっ嘘?』

「ほっ、本当でござる!!遼どのから着替えを頂いたところ位までは覚えているのでござるが…」

『うえ!?じゃっじゃあ…コレは?』



Tシャツの襟の所を引っ張り、幸村に昨日つけられた痕を見せた。



「これはっ…所有印でござるか!?なっ、なんと破廉恥な!!!!!!」

『これさ、幸村がつけたんだよ?』

「ぬぁっ!?なななっなな…!!はっ…破廉恥でござるうぅぅぅぁぁあ!!!!」



そう言うと、幸村は真っ赤になって庭へと走って行った。


…どういうこと?

え、だって確かに昨日は後半ずっと黒幸村だった筈なんだけど…



「あー、なんか旦那の黒い部分は寝たり起きたりするとコロコロ変わるみたいだよ?」

『へぇ、そうなんだ。じゃあ今日は寝たことによって、白幸村になったってことかい?佐助』

「あはー、そういうこと」



佐助が心を読んで話しかけてくるのになれてしまった自分って…。

でも幸村と黒幸村のサイクルがよくわかったから、よしとしよう。



『で、佐助は何の用?』

「あぁ、朝御飯出来たよ」

『お、ありがとう』

「お安いご用だよ」




嗚呼…万能オカン万歳!!

私はここに来て間もない佐助達の物覚えの早さに、感動した。




「おら遼、早く座れ」

『はーい』



小十郎お父さんに促されて私は空いていた政宗の隣に座った。


『じゃ、いただきまーす』

「おい、遼」

『んー、何?政宗』

「いただきます。とは何じゃ」

『………は?』



何この子。
戦国武将っていただきます知らないの?



『いただきますっていうのは、………』

「というのは?」

『………』

「何じゃ、わからぬのか」

『ばっ…!!わっわかりますよ!!』

「じゃあ言うてみろ」

『ぅえ!?っ…とー、』



やべえ、ド忘れってやつ?
私頭良くないんだよねー…まぁ普通か悪いってやつ?
でも普通、いただきますぐらいは分かる筈ですよねうん悪いね。


『あっ!!アレだよ、あのー私達の為に犠牲になってくれる大地の恵みとか、動物とかに感謝をこめて!!…みたいな』

「ほう…何とも深い意味があるのじゃな」

『もし政宗が食卓に出てきても、ちゃんといただきますって言ってあげるから心配しないで!!』

「何の心配じゃ、馬鹿め。というかワシが食卓に出ることなど、一生ないわ!!」

『分かんないじゃん!!政宗が食卓に出る確率だってあるよ!』

「何の確率じゃ!?」

「うるっせぇぞ!!てめぇら!!黙って食事も出来ねぇのか!?」

「『!?』」



私と政宗がうるさくて、小十郎さんが怒った。



「遼!!」

『はっはいぃぃ!?』

「お前は細ぇし軽いんだから、沢山食って肉つけろ!!…それから政宗さま!!」

「なっ何じゃ!!」

「別の政宗さまと言えど、貴方は貴方の世界の天下をお取りにならなければなりません。先ずは栄養をつけ、鍛練を欠かさず、…」



くどくどと小十郎さんの小言?が始まった。

…あれ?
政宗がいつの間にか正座してる。




「まぁまぁ竜の旦那!折角作った御飯が冷めちゃうでしょ?」

「それもそうだな。…政宗さま、あとでゆっくりとお時間をいただきますぞ」

「わっ分かった…」



うっわー、政宗可哀想。
小十郎さんのお説教なんて何時間かかることやら…。

私達はご飯を食べ始めた。








「Ah〜…痛ぇ、」

「なんなんだ、独眼竜。いきなり襲いかかって来やがって…」



元親をシメに行った政宗と本人が、居間に来た。




『つか何で伊達の方が傷ついてるわけ?』



伊達はシメに行ったくせに元親よりもボロボロになっていた。
というか元親無傷。



「ちっ…身長差があって敵いやしねぇ」

「竜が鬼に勝てるわけねぇだろうが」

「Ha!!どうだか…何ならここで真剣勝負といこうか?西海の鬼…」

「泣いてもしらねぇz「てめぇら…今すぐ正座だ!正座しろ!!」

「「え、」」



あれ?
小十郎さんそれ伊達軍筆頭の政宗さまだよ?
てめぇらとか言っていいの?

ちょっ…気のせいかもしれないけど、体から雷出てない…?



「何朝飯前にやってんだオラ」

「こっ小十郎!でも…」

「でも、じゃありません!!良いですか?貴方はいずれ天下を取るお方です!朝っぱらから喧嘩なんてして朝御飯を食べないなんて…」


またくどくどと、小十郎さんの小言が始まった。
つか、今のセリフさっき聞いた気が…。




『政宗、ついでだし伊達の隣に正座してきたら?』

「…そう、じゃな」


政宗は、諦めたように伊達の隣に正座をし、小十郎さんのお説教をうけた。

…結局、小十郎さんのお説教は私達がご飯を食べ終わっても続いており、必然的に約2名が朝御飯抜きになったのだ。



「…腹減ったぜ」

「お前の所の小十郎は怖いな」


伊達と政宗がお互いの小十郎について、話し始めた。
なんやかんやであの二人は仲が良いのかなーって思った。


息子の成長に感動する親のような目で二人を見ていたら、幸村が寄ってきた。




『どうしたの?幸村』

「…某、遼どのと外に出たいでござるー…」



うっわ!可愛い!!
少しなんか知らないけど、拗ねてる感じが可愛い!!



『外、行きたい?』

「行きたいでござる!!」



幸村の目がキラキラと輝いている。



『んー…じゃあ今日は、外に行こうか』


私がそう言うと、幸村と伊達と兼続が騒ぎ始めた。



「外でござるか…!いったい、どのような兵が居るのでござろうか…」

「外か…いいねいいね!ゾクゾクするぜ!!」

「義の志を持ったものは居るのだろうか…」



『あ、言っておきますけどあんまり騒いだら、すぐ帰ってきますからね』

「「「えー、」」」

『いや、えーじゃないから』



まぁ約3名が心配だけど、私達は出掛けます!




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