『それじゃあ、みんなにコレをあげるよ!!』 「何だ?コレは…」 『元親と一緒に買い物に行ったときに、みんなのー…髪紐かな?を色違いのお揃いで買ってきたんだ!!』 「遼ちゃん、使い方は?」 『あー、幸村とか元親だったら…ちょっと元親それ貸して』 「ん、」 私は元親の前髪を結んであげた。 『こんな感じかなっ』 「元親どの、お似合いでござる」 「…なんかあんまり褒められてる気がしねぇんだが」 「Ha!!お似合いじゃねぇか、姫若子さんよぉ!!」 「なっ…!?何でてめぇがその名を…!!」 「遼、俺もやってくれぬか?」 『あ、うん。良いよー』 内心、何かされないだろうかという心配をしつつ、幸村の髪を結んであげた。 『あ…幸村って後ろの髪もあったか』 「そういえば…」 『じゃあちょっと後ろ向いて?』 幸村に後ろを向かせ、尻尾…じゃなかった、後ろの髪を赤いリボンで結んであげた。 『ぶっくく…!!ゆっゆきっ…可愛い!!』 「…遼?」 『すいません、調子にのりすぎました』 幸村の周りから黒いオーラを感じとり、咄嗟に土下座をした。 「Hey!遼、俺はどうするんだ?」 『あー、伊達はね…』 俗に言う、お嬢様ヘアーだかなんだか忘れたけど、そんな感じの結び方で結んであげた。 『やっぱり似合いますね』 「Ha!!当然だろ?」 『あ、佐助はバンダナとかと交互に使ったりすると良いよ』 「あはー、ありがとっ」 みんなでほのぼのしていたら… 「っ…てめぇら!何者だ!?」 「何処から入ってきたのだ!?貴様らは!!この悪党め!!」 「揉め事…か?」 『え、ていうか今小十郎さんがさ、てめぇら何者だって言わなかった?』 「…知らない奴の気配が3つほど、お風呂場からするよ」 『っっ…行こう!!』 「あっ、ちょっと遼ちゃん!!危険だから!!」 居間にいたみんなでお風呂場に向かった。 お風呂場に着くと、小十郎さんと長政さまが誰かと争っている声が聞こえた。 『こっ小十郎さん!長政さま!!』 「遼!!!?」 「っ貴様は危ないから下がっていろ!!」 『…ぐっは!!』 「ちょっ遼ちゃん!?」 幸村の時の如く、小十郎さんと長政さまの美しい・素晴らしい肉体を間近で見てしまった。 (はっ鼻血!!吐血ぅうう!!小十郎さんは素晴らしいなとは思っていたけども…長政さま!!なんかもう、ドストライク!!) 変なことを考えてしまったが、冷静になって聞いてみた。 『何があったんですか?』 「コイツらがいきなりこの…水槽?みてぇなのに落ちてきやがったんだ」 『コイツら?…あ、』 「あの…ここはどこでしょうか?」 「何なのだ、この狭い空間は」 「っっ、兼続!貴様、儂の足を踏んでおるぞ!!」 『うっそー…』 「お茶まで出してもらって…本当にありがとうございます」 『いえいえ。私は安達遼といいます。…念のため確認なんですけど、お名前を教えてもらってもよろしいでしょうか?』 「ねぇ遼ちゃん、念のためってなぁに?」 『ややこしくなるから黙ってて』 「では私から。私は真田幸村といいます」 「私は直江兼続だ」 「…儂は伊達政宗じゃ」 「「「「は、」」」」 伊達・真田主従が、光の速さで反応した。 「さっさささっ真田幸村っ…?」 「ええ…貴方の名前は?」 「そっ…某も真田源二郎幸村と申す」 「え、」 「Hey、その眼帯、その兜、そして伊達政宗という名前…本当に伊達政宗なのか?」 「何故嘘を言わねばならぬ。そういう貴様こそ儂と同じ目に眼帯をしておるな…名はなんだ?」 「俺も、伊達政宗だ」 「…は、」 「「私(儂)がもう一人!?」」 「何だ何だ、幸村に政宗。そっくりさんか?」 直江さんが楽しそうに言ったけど、華麗にスルーされていた。 「えええ!?真田っ?」 「さっ真田でござる!!貴殿も?」 「真田です…」 「旦那、その男…嘘ついてるんじゃないの?」 「この者は、嘘などついておらん!!あの額のハチマキを見てみろ!!」 「あ、六文銭!!」 「え」 「遼、着替えてきても良いか?…それに武器も」 『あ、うん。良いよ』 幸村は、いつもの格好に着替えにいった。 「…お前、本当に俺か?」 「未だ言うか、この馬鹿め!!貴様こそ本当に儂か?」 「Ha!!当然だろ?俺は産まれたときから伊達政宗だ。それに…小十郎」 「はっ」 小十郎さんは、伊達の兜を持ってきた。 「その兜は、」 「てめぇのと同じ…だろ?」 「…確かに儂らしいな」 『…あの…直江さん?』 「兼続で良い…っと?」 『私も遼で構いません』 「そうか、では遼と呼ばせてもらおう。…それで何の用だ?」 『あ、貴殿方はここに落ちて来る前に何処にいらっしゃいました?』 「遼、別にそんなに堅くなくていいぞ!いつも通り話してくれ。私と幸村は、三成と左近の所…佐和山城に居た。政宗は…おい、山犬」 「山犬と呼ぶでない、馬鹿め!!」 「政宗は何処にいた?」 「儂は孫市と一緒に城にいたが…」 「まぁ、場所は違えど城にいたことは一緒だ」 『城ですか…』 そのとき、 「お待たせ致した!!」 幸村が戻ってきた。 「某は戦場ではこの格好でござる」 「ろっ露出が多くありませんか!?」 うん、もっともな意見だよ、真田さん! 「そうでござろうか?…あぁ、某はハチマキじゃなくて背中に六文銭があるでござる」 ほら、と言いながら幸村は真田さんに背中の六文銭を見せた。 「…ではやはり、」 『伊達も幸村も同一人物だね』 「でも何で旦那達がもう一人いるの?」 『別の次元?世界?んー…まぁ、よくわからないけどそこの幸村と伊達なんじゃない?』 「別の次元の…某、」 「Ha!!なかなかおもしれぇじゃねぇか!!」 「さて…どうします?兼続どの、政宗どの」 「ここは…見知らぬ場所というか、私達がいた世界ではないようだしな」 「おい、小娘!!」 『なっ…小娘じゃありません!!私には遼っていう名前が、』 「では遼、儂はここで世話になるぞ」 「「え、」」 伊達と小十郎さんがいち早く反応した。 『あー…うん、良いよ』 「では世話になるぞ」 政宗が仲間になった! 「あの…遼どの」 『はい?』 「私と兼続どのも世話になってよろしいでしょうか?…ここは私達の知らない世界のようなので…」 『あ、勿論良いですよ』 「わあ…!兼続どのっ!!」 「うむ…すまんな、遼」 『いえいえ!!』 真田さんと兼続が仲間になった!! 『そうと決まれば、みなさんお風呂は早く済ませちゃって下さいね!』 新たに仲間が増えて賑やかになった。 (ちなみに政宗って呼んでも大丈夫?) (勿論じゃ) (な!?遼!) (あーあーキコエナイ。あ、真田さんって呼ばせてもらいますね) (承知致しました) |