※部分的に破廉恥だと思われる表現がありますので、苦手な方はお逃げ下さい






『よし、それじゃあ幸村は腰にこのタオルを巻いて入ってきてねっ』

「承知致した!!」


さぁ、いつでも来い!!説明は得意なんだからね!!

お風呂場で幸村が入ってくるのを、仁王立ちで待っていた。


ただ服を脱いで、タオルを腰に巻くだけなのに…

…遅い。

きっと扉の向こうでモタモタやってんだろうな。ちょいちょい「破廉恥でござる」って聞こえるし。



『幸村ーっ、さっさとしないと1番風呂他の人にするよー!!』


ガラッ


「それはならぬでござるっっ!!」

『っ…ぐはっ!!』

「遼どの!?」


ヤバいヤバい!!吐血ものっ…つか鼻血ものぉおおおぉおっ!!

ゲームやってるときからあの紅い鎧(?)みたいなのに腹筋隠れてて、ずーっと気になってたけど…っ



『ナイス!!幸村ァっ!!』

「なっないす?」


あぁ、ナイスがわからない所もまた良いっ!!!!



『それじゃあそこに座ってくれる?』

「承知っ」


素直に風呂のイスっぽいやつに座ってくれた幸村に、シャワーの使い方を教えてあげた。



「おぉ…!!不思議でござる!自然と湯が出てくるでござる!!」

『すごいでしょ?』

「うむ!時代が進むと、こうも便利になるのでござるな…」

『人間って…スゴいよね。幸村よりもずーっと前の時代は、ほぼ全裸で本多さんより大きい獣を追っかけまわしてたみたいだよ?』

「なっ…!!全裸!?破廉恥極まりない!!」

『元親は?』

「破廉恥の塊でござる!!」

『…幸村は?』

「そっ某は破廉恥ではござらん!」



えー…。
幸村もほぼ半裸で戦場駆け回ってるよね?

元親と大差ないよね?

幸村の格好にはあまりつっこまないことにした。


『それじゃあ、体と頭洗うね』

「んなっ!!!?」

『っっっ…!!お風呂場で大きい声出さない!!』


耳がキーンってなるでしょうが!!


「もっ申し訳ござらん…」

『…くらえっ』



ジャーっ



「ぅあっつ!!!?っ…遼どの!?いきなり何をっ…」

『あのさ、幸村。そろそろござるとかどのを取ろっか』

「っ…それは出来ぬでござる!!」

『何でさ!私の方が年下だよ!?敬語みたいなの使われる意味がわかんない!!』

「某は遼どのに世話になっている身…そのぐらい当然でござる」

『…私は逆に気を使われてるみたいで嫌だよ?』

「だがしかし…」

『じゃあ私も幸村さんって呼ぶよ?敬語で話すよ?』

「うっ…………!!それは、その…」

『嫌だったら、ほら!!名前呼んでみて!!』

「っっっ…遼、遼っ遼遼、遼…遼!!!!!!」

『!!』



幸村は顔を真っ赤にし、うつむきながら何回も私の名前を呼んだ。

人に名前呼べって言っておいてなんだけど…

凄い恥ずかしい。何コレ、幸村パワー?

名前呼び捨てってこんなにも恥ずかしいものだっけ?暫く二人の間に沈黙が続いた。



『じゃっ…じゃあ髪の毛とか洗おうか』

「いや、それがっ…俺が自分で―――」


その時、





パチン




「『え、』」




てっ…停電?




「なっ…敵襲でござるか!?」

『てっ敵ではないよ!!っていうかござる!!』

「むっ…すま…っ」


『ゆっ…幸村?』



真っ暗で何も見えない中でいきなり幸村の声が途切れた。



『ちょっ、幸村!?どっどこに…ていうか誰かにやられた!?』

「…心配はいらぬ、遼」

『うぉっ!!っよかったー…というか幸村、どこ?』



暗闇に未だに目がなれない私。



「俺はここだ」


どうやら幸村は目がなれているみたいだ。


『案外近くにいたんだね。…ていうかしゃべり方慣れるの早くない?』

「そうか?佐助と話すときと変わらぬのでな…」


幸村は喉をくつくつ鳴らしながら笑っている。
幸村ってー…こんな感じだったっけ?



『ねぇ、ゆきむ…らっ!?』

「ん?どうかしたか?」


どっどうかしたか?って、近い!!こんな近くにいたの!?



『ち、近くは、ないです…かっ!?』



幸村がっ!!あのシャイボーイ・幸村がっ!!!!!!



『ちょっ!!何で腰に手…っ!?』

「…どうかしたのか?」



いやいや、顔近い!!!!これって…ききっききききっキスする距離じゃないの!?
あぶっ…危なっ!!



『ゆっ、幸村っ!はなっ…れてっ!?』



ちょっ!?離れるどころか、頭に手をがっちりまわしてきやがりましたよ!!!!!!
っ…コレは!!今朝の伊達に奪われたパターンのやつじゃないか!?



『ゆき…?』


お、顔が離れた!セーフ!!ラッキー!!!!

んまぁ…相変わらず、手は離してくれないけど。



『さぁ、幸村。その手を離そ…ぅあっ!!!?』


私の首筋に、幸村の吐息がかかった。



『くっ…くすぐったいよ!!ていうか離れ…っ!?』



吐息の次は、何か分からなかった。
…けどそれは、柔らかかった。



『何でさっきから黙って…い゛だっ!?』


何かっ…何か痛い!!
つか最初かじったよね!?

幸村の柔らかい…まっまさか、くっくく唇!?

とにかく幸村の唇が触れてる所がピリピリして痛い。



『痛っ…!!幸村!?何やってんのっ』

「………………」




返事はー!!!!!?

黙ってるとか…お姉さんかなり悲しいんですけど…

暫く痛みに堪えていたら、幸村が首筋からちゅっ、というリップ音と共に、離れていった。



『幸…村?』

「はぁ…もっと良い声は出ないのか?」

『なっ!?』



パチッ



『あ、』


電気復旧!!きゃっふぅううう!!

今まで停電していたが、いきなり明るくなった。
誰かがどこかいじったのかな?まぁそれは良いとして!!


『…っ幸村!!』


幸村の悪事を叱ってやろうと(長政さまみたいだけど)向き直ると…



「ふぁっ…はははっ…ぶぇっくしゅん!!…ズズッ」



…あれ、


『ゆっ幸村?』

「ズズっ…なっなな何だ?」


あらま、寒そう。歯がガチガチいってる。
というか、さっきの幸村と違…う?



『ねぇ、幸村』

「ななっなんっだ」

『さっきさ、私のココに何したの?』

「こここっココ?さっき?それが…俺は何…うをっ!?」



え、何でそんなに顔真っ赤になるの?
え、何か変なことしたの?



『ゆっ幸村、』

「某はっっ、嫁入り前の女子になんという…っ!!!!っっぅおやかたさぶぁあああぁぁ!!」

『え、ちょっ!!幸村っ、どこも洗ってないってばー!!』



大きな雄叫びをあげながら幸村は、お風呂場から走り去って行った。




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