『ただいまー』 「帰ったぜー」 …あれ? さっきは幸村と伊達が玄関に走ってきたのに 走 っ て こ な い 『…?』 「どうした、遼」 『いや、さっきは元気に出迎えてくれたのになーと思って』 「……さては何かあったな?」 『…やっぱり?』 面倒事は本当にやめてほしいなー。 私と元親は、靴を脱いで家にあがった。 「Oh〜遼。おっ遅かったじゃねぇか」 『ただいま、伊達。出迎えてくれなかったなんてビックリしたよ?』 「そっそうか?程々にしないとな、お前にー、嫌われたら元も子もないからな」 『…………』 怪しい… なんかさっきから、ちょっと焦ってるし、目が泳いでる。私と目があわない。 しかも、なぜか私達を居間に入れないようにして入口に立ち塞がっている。 『ねぇ、伊達?』 「な…んだ、Honey?」 『何かあったの?…ていうか、何か隠してる?』 「俺がHoneyに、かっ隠し事なんかすると思うか?」 …益々怪しい。 今明らかに、伊達が「まずい…」って顔したし… 『…ちょっと失礼っ』 「すっ…stop、遼!!」 『どうした…のっ!?』 伊達はいきなり私の腕を引っ張り、胸に抱きとめた。 『ちょっ!?いっいきなり何す…』 「俺の熱い抱擁だぜ?感謝しr『元親っ、居間に入って!』 「っしゃあ、任せろ!!!」 「さっ西海の鬼っ!!stopだstop!!」 「あン?南蛮語なんざ使われてもわからねぇなぁ?」 ナイス元親っ!! 伊達の横をすり抜けて、居間へと入っていった元親。 伊達は「…もう知らねぇぜ」と小さく一言だけ、呟いた。 「おいおい…やっちまったなぁ、独眼竜さんよぉ」 なんだか元親は楽しそうだけど、伊達の顔は青ざめていった。 「ちょっ長曾我部どのぉ!!何故ここに…って政宗どのぉおおおぉお!!!!」 幸村はうぉぉぉぉぉと雄叫びなのか泣き声なのかわからない声をあげた。 『ゆっ幸村?何があったのさ!!』 自分だけ状況が掴めずに混乱していると、伊達が私を抱きしめる力が弱くなった。 『…隙ありっ!!』 「あ、」 一瞬の隙をついて、伊達の腕の中から抜け出した。 『…………………』 嘘 だ ろ ? 私の愛用のノートパソコンが粉々になっていた。 …って、粉々!? 『ちょ、待て!!なっななななな何で!?』 パニックすぎる!! 日本語おかしいけどそんなこと気にしてられねえ!! 「Ah〜…それは…なぁ?」 「なぁ…でござる」 『なっ何なのさ!!』 二人は顔を見合わせたまま、口を開かない。 「自分たちの悪事を話さず黙っているなど、悪!!」 急に堪えきれなくなったのか、長政さまが話し始めた。 『なっ長政さま、余計ごちゃごちゃになるので、話さないでいただけますk「私がそやつらのしたことを全て話してやろう」 『へっ』 おぉ、たまには良いことするじゃないか、長政さま。 長政さまは、私と元親が居ない間に起こったことを細かーく話し出した。 長政さまの説明は、長くて細かくて、とにかく細かくて余計な部分が多かった。 大雑把にまとめると、こういうことらしい。 私と元親が出掛けた後、伊達と幸村はテレビのチャンネルを変えるか変えないかで争ったらしい。 伊達は再放送をしていたハ●太郎、幸村は戦隊もの。 二人でリモコンを取り合いになり、騒いでいる所を佐助や小十郎さんになだめられたが、一向におさまらなかったらしい。 そのまま争っていたら机にぶつかりパソコンが落ち、そのことに気づかずに取っ組み合いになって倒れこんだ下に、パソコンがあり、グシャッとなったらしい(大雑把すぎたけど) なんでこうも、こっち来てまで争うんだよ…この好敵手共は…。 『元親、』 「ん、何だ?」 『長政さまに服の着方教えてあげてくれる?』 「いいぜ!…行くぞー、長政サマ」 「貴様に様をつけて呼ばれるのは気味が悪いな」 「……………」 あ、元親が落ち込んだ!! まぁそれはさておき、 『伊達っ、幸村!!』 「「はっ…はい!!」」 『正座!』 スッ おお、言うこと聞いた。 『あのさ、一応確認するけど…伊達は奥州伊達軍の筆頭だよね?』 「…あぁ」 『んで幸村は、日本一の兵だよね?』 「そうで…ござる」 『何でそんなに大人になれないの?』 「「すいませんでした」」 『すいませんでした。で済んだら怒んないわっ!!どーすんの!?メルアドとかいろんなお気に入りのサイトとか!!』 「める…あ?さいとって誰でござるか?」 「Ha!!斎藤だろ?Honey!」 何こいつら、うるさい…!!データ消えてたらもう死ねるよ?私… 終わったよ、私の人せi( 「ほっ本当に申し訳なかったでござる…!!全ての責任は某と政宗どのに…」 「そうだぜ、Honey!!何でもやってやるから嫌いにだけはならないでくr『いーえっ!!子供の責任は親の責任!…ということで、佐助と小十郎さん』 「…へ、おっ俺様たち!?」 「ワケわからねぇぞ、遼」 なぜか悪くない保護者たち…もとい佐助と小十郎さんに責任を負わせた。 『保護者の責任として!二人には、やってもらいたいことがあるんです』 「…もう俺様つっこまないよ」 「…何だ?」 かなり呆れ顔な二人にトドメをさすように言った。 『二人は我が家の朝・昼・夕のご飯を作っていただきたく!!』 「「…は?」」 『とめられなかった保護者が責任をとらなきゃ、』 「でも遼ちゃん。俺様料理なんて出来ないんだけど…」 なっ…何ィ!? さっ佐助が…あのオカンがっ…!!!! 料理が出来ない…だ…と? 『じっじじゃあ、武田軍のご飯は誰が作ってるの?』 「普通に女中?」 えぇー!! ほんのちょっとだけど、佐助の手料理を期待してたのに… 「あはー、ごめんね?」と笑顔で謝ってくる佐助が…憎い。 私がショックで項垂れていると、いきなり頭をぽん、と叩かれた。 『んなっ!?…って小十郎さん』 小十郎さんは、私の目線の高さに身を屈めて言った。 「俺の飯じゃ…嫌か?」 『嫌だなんてそんな…!!むしろ私を料理して食べてくださ「ねぇ、遼ちゃん。そんなキャラじゃなかったよね?もう少し大人しい感じだった気がするんだけど…」 『役立たずの猿は黙ってなさい!!』 「ホント泣いていい?」 こうしてめでたく家事してくれる人が決まったのであった。 |