『ぜぇっ…ぜぇっ…っ!』 「わっ…悪ぃ」 あの後ほぼ元親に引きずられるようにして、ジャ●コについた。 傷口は開かずにすんだが、体力が無い私は入口の前でずっと息を整えていた。 『っっ…ふうううぅぅう、よし!じゃあ行こっか!』 「おう!」 ようやく買い物が出来る…!! そう安堵したのも、束の間だった…。 「おい、床が動くぞ!!」 「ひっ人が箱ン中に閉じ込められたぞ!!」 中に入るやいなや、エスカレーターやエレベーターを見て、興奮し始めた。 『もっ元親!やめっ…恥ずかしいから!!マジで!』 もしかしたら、一番の人選ミスかもしれない。 「だってよぉ…」 『大人しくしてないと、買ってあげないからね』 「うっ…わかったよ…」 プラモデルすげぇ!! あんなにうるさかった元親が!一瞬で静かになった!! 元親が大人しくなったのを見て、エスカレーターにのった。 「…すげぇな、この技術」 『日本はかなーり進んでるからね』 「…この技術力、欲しいぜ…」 『でも、元親のカラクリも充分スゴいと思うけどね』 「この“えすかれぇたぁ”っていうのには敵わねぇがな!!」 いやいや、でも元親も十分スゴいよ? 嬉しそうに笑う元親を見て私もなんだか嬉しくなった。 『あ、ついたよ!元親』 「もうついたのか?」 ついたのはさっきも来た服売り場。 『じゃあ一緒に長政さまに似合う服を探そっか!』 「おうよ!!」 私たちは、Tシャツを漁り始めた。 『んー…いいのないなぁ』 中々、長政さまっぽいのが見つからない。 すると元親が涙目になり、爆笑しながら一枚のTシャツを持ってきた。 「おいっ…遼っっ!!ぶっ…くくっ!!これっ!!」 元親が持ってきたのは… “正義バカ”とバックにドでかくプリントされたTシャツだった。 『ぶっは…あはっ、はははははっ!!なっ、何これ!!』 「あっ、浅井のヤツにっ…似合うと思うだろっ!?っはー、笑いすぎたぜ…」 『つかナイス!元親!!』 いや、正義バカはナイスだと思う。 『じゃあ元親、そのカゴの中に入れてくれる?』 「わかったぜ!」 長政さまには、もう一枚“みんなのヒーロー”と、かかれたTシャツを買ってあげた。 『よし、じゃあ次は髪紐とか売ってるとこに行こうか!』 元親を引きずるように、アクセサリーショップへ向かった。 「…なんだァ、ここは」 『いーからいーから!一緒に入るよ!!』 「んなっ!?おっ俺はいい…うわっ!!」 拒否する元親を無視して、中に入っていった。 「すっ…すっげぇー!!」 あれ、元親入るの嫌がってなかったっけ? ちょっ、めっちゃ目輝いてんじゃないか!! …これはあれか、巷で噂の姫若子っていうやつか? 元親は水玉の飾りが二つついたゴムを手にとっていた。 『…欲しいの?』 「んなっ!ちっ、ちげぇよ!!ほっ欲しくなんか…」 『買ってこうか、全員分』 「すっすまねぇ…」 結局、みんなの色に合わせてお揃いのものを買っていった。 『じゃあ帰ろうか』 「おう」 ガ●プラも買った私たちは帰ることにした。 |