佐助の手荒ーい治療のあと、すぐに買ったものが届いた。



「またのご利用、お待ちしております」

『ありがとうございました』



いやはや、大量大量。
この荷物をどこに置こうか考えていると、急に後ろから声がした。






「運ばねぇのか?」

『うわっつ!?』



私に声をかけたのは元親だった。

…つーか



『めっ…めっちゃびっくりしたんですけど!!』

「あ?あぁ、びっくりさせて悪かったな」


ポンポンと私の頭を叩きながらニカッと笑う元親は、とても眩しかった。



「んで?運ばねぇのか?」

『あぁ、そうだった!』


そういった後、私は食料の入った買い物袋に手をかけた。



『よっ…』

「おいおい、待てコラ」


さぁ、持ち上げん!!と気合いを入れていた私にツッコミ(?)を入れてきた。



『何ですか?』

「何ですか?…じゃねぇよ!!何のために俺が来たと思ってんだ?」

『へ…?』



そう言うと元親は、私が持ち上げようとした買い物袋を軽々と拾い上げた。




『んなっ…!!』

「女は黙って男を頼ってろ…特に力仕事は、な」


そう言って笑った元親がかっこよくて、赤面した。



「ははっ!!真っ赤じゃねぇか!!遼さんよ!!」

『うっうるさいですよ!!』

「はいはい、すいませんでしたよーっと。…おい幸村ァ、ちぃと手伝ってくれねーか」


ちっとも悪びれる様子もなく謝った元親は、幸村を呼んだ。



「いかがなさった?」と言いながら玄関にやって来た幸村。



「この荷物を運ぶんだとよ」

「力仕事なら某にお任せ下され、遼どのっ!!」



おーう、なんか幸村の笑顔もかなり眩しい。

幸村の眩しさにダメージをくらっていると、幸村は物をパンパンに詰め込んである袋を、片手に3つずつ持った。



『ちょっ…ちょっと幸村、腕おかしくするよ!?』


合計6つも重たい袋を持って、無事な人なんて普通いないんですけど!?



「心配はご無用にござる。某も一人の武人、このぐらいの重さにやられていては槍など扱えぬっ!!」


…あぁそっか、幸村の武器は二槍だったっけ?しかも片手に一本ずつ?

いや、そうだとしてもさ。あの袋の量は半端ないよ?
しかも幸村涼しい顔してるし。そして何気に元親も負けてないし。



『うううぅえ!?7つも!?』

「あ?んまぁそうだけどよ…」



えー…流石海の、海賊の、野郎共の、私のアニキですね。


…そうか、元親の場合は
幸村の何倍も重さがありそうな碇槍だったっけ?

すんげーな、戦国武将は。


関心していると、1つ袋が残っていることに気がついた。




『…私も頑張らなきゃ』

よし、と気合いを入れて、私はまた袋を持ちにかかった。





…が



やっぱり重かった。

平成の乙女には無理だったっていうね!


するとそこへ






「何をしているのだ、遼」


正義の味方、浅井長政、見参!!



『あ、長政さま』

「何をしている、早く居間へ戻らぬか」

『そうしたいのは山々なんですがねー?』

「何だ、傷口がひらいたのか?」

『違いますよ。これですよこれ…』



私の指の先には勿論買い物袋が。



「む、まだ残っていたのか…」

『まぁ、あとはこれ1つなんですが…』



…長政さまはなんていうか、こういう重いもの持てない気がする。

小十郎さんでも呼ぶかな、と思っていたら




「これを居間に持って行けばいいのか?」

『あ、はい…ってえ?』




うっ嘘!?

えっ、ちょっ…長政さまって意外と力持ち!?
えー…絶対無理だと思ってた。

長政さまを凝視しながらそんなことを思っていると、


「遼、貴様…今私に失礼なことを考えなかったか?」

と聞かれた。


とっさに

『ままままっさかー!!そんなことあるわけないじゃないですかーあははー』

って言ったけどさ、長政さまって、佐助と同じように心読めるの?



うっわー、怖っ!!とか思ったら

「私は心など読めぬぞ。貴様の顔に書いてあったのだ、遼」


完璧読んでんじゃないですか。



「さっさとしろ、遼!!」


なんかもう、諸々のショックで項垂れてたら、長政さまに頭を叩かれた。



『いっ…!?何もぶつことないじゃないですか!!』

「貴様がぐずついているからであろう!!」

『ぐずついて…!?私は考え事をしていただけです!!』

「何っ…?貴様、悪いことでも企んでいたのか!?」

『たっ企んでなんかいません!!』


長政さまって…!!
人の話をこうも聞かない人なの…!?


ムカついた私は、ちょっと仕返しをしてやろうと思い、込み上げる怒りを抑えながら口を開いた。



『長政さまってちゃんと人の話も聞かないんですか?これじゃあお市さまも可哀想…』

「なっ…!?いっ市は関係ないであろう!!」

『関係ありますよー…いつも私みたいにちゃーんと話を聞いてもらえずに、悲しんでいるんじゃないですかー?』


揶揄うように言うと、長政さまは顔を真っ赤にし、うつむきながら言った。





「…は…………う」

『何ですか?』











「いっ市は…きっ貴様とは違う…とっととと特別なのだ…っ!!!!!!」







あっまーあい。
…なんだこのゲロ甘夫婦は。

てか、うわっ!!長政さま顔真っ赤!!


『はっはーん…やっぱりお市さまに日頃冷たくあたってるのは、照れ隠しなんですね?』


ニヤニヤとしながら問い詰めれば、長政さまはまた私を叩いた。



「っ…貴様!!揶揄うなど悪!!!!」

『なっ!?何もぶたなくてもいいじゃないですか!!』

「貴様が悪い顔をしていたから、成敗してやっただけだ!!」

『悪っ…!?普段からこういう顔なんですy「むっ!無駄口をたたきすぎたようだ。行くぞ、遼!!」

『仕掛けたのは、長政さまじゃぁあああぁぁ!!』



ようやっと口喧嘩を終え、居間に戻った二人だった。




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