『まずは、刃物の類いを回収させて下さい』

は?




『いや…「は?」って言われてもですね…』


あの後、ちゃんと皆さんにお茶を出して、テーブルの周りに座らせた。
そこで冒頭の言葉を発すれば、5人から帰ってきた返事は「は?」だった。



『いや、そりゃー武器は皆さんの命というか魂というか…とにかく大切な物だということは知ってますよ』

「なら持っててもいいでしょ」


佐助が言う。




『でもですね、さっき説明したじゃないですか』



…そう、ちゃんと説明したのだ。




・戦は無い

・武器を所持すると、警察という組織に捕まる

・捕まったら一生出れないかもしれない


…などなど。


この世界が平和なことは伝えた。その時はみんな納得してくれた。



…なのに


「武器を他人に預けるなんてねぇ…」

「出会って間もない奴に預けられるか」



という言葉が飛び交う。


うん、そうだよ。オカンとオトンだよ!!

伊達と幸村は、そんな二人に止められているのだ。


元親はというと…






「ちゃんと管理してくれんだろ?」

『もっ勿論!!』

「なら俺は預けるぜ?頼んだぜ、遼!」

『…アニキィィィィィ!!』

「うぉっ!?危ねぇ…っ!!」



あっさり承諾してくれた。
思わず抱きついちゃったよー!!(おい)

やっぱりその心の広さは誰にも負けないなっ!




『じゃあ元親は、私と一緒に寝ましょうか』

「「何っ!?」」


素早く反応した伊達と幸村。


「Hey!遼!!俺も武器預けるから一緒に寝ようぜっ!!」

「そっ…某も遼どのと一緒に…ぬわああぁぁぁぁ!破廉恥でござるぅううあぁぁああっ!!」



なんだお前ら。私の体目当てか?
つか幸村、破廉恥だと思うなら言うな、うるさい。



「とっとにかく、某は武器を預けるでござる。お頼み申す、遼どの!!」

『頼まれましたよっと』

「俺も預けるぜ?だから…一緒に寝『伊達は全力でお断りしておりますので悪しからず…』

「遼…」



だって何されるかわからないしねっ。



「佐助ぇ!お前もさっさと武器を預けぬか!!」

「でも…旦n「減給されたいのか?佐助…?






「あはー遼ちゃん、お願いねーっ」

『…任せといて?』


佐助が何にびびってるのか気づいていない遼だった。



…後は、


『小十郎さん』


そう、竜の右目だけ。



「俺は…」だのなんだのぐずって渡そうとしない。


んー、なんかいい交換条件は…



…あった!!





『じゃあこうしましょう、小十郎さん』

「なんだ?」

『私が所有してる畑、全部使ってもらって結構です』


ぴくっ


おっ、反応した。


「好きに…使っていいのか?」

『はい。雑草とか沢山生えてて大変なんですが、私も手伝うので…どうですか?』







「よろしく…頼んだぜ?」

『はい!!』



嗚呼、畑を持っててよかった…!!

なんとか武器回収を終えた遼だった。




ちらっと時計に目をやると時刻はいつの間にか午前9時。




え、嘘。そんなに話してた?

うん、まーいっか!!




『さて、私は買い出しに行ってきます。なので家の中で大人しくしていて下さいね』

「遼どの」



突然、幸村から声をかけられた。



『どうしたの?幸村』

「一人で出歩かれるのですか?」

『そうだけど…』

「女子が一人で出歩くなど危険でござる!!是非某をお連れください」

「Hey!!コイツじゃなくて俺を連れていけ!遼!!」

「なにおう!!」

「やんのか!?」



なんか小競り合いが始まったけど、実際…どっちも連れていきたくない。


あの二人、絶対騒ぐもん。私まで変な目で見られるのやだし。


『とにかく、私一人で行ってきます!!部屋の中は壊さない程度になら調べても構いません。ただ、一歩もこの家から出ないで下さい。…いいですね?』

「承知致したっ!!」

「OK.」

「任せとけ!」

「旦那たちのことは心配しないでいいよ?」

「わかった」



『よし!!』



…この格好で出かけても大丈夫だよね!!



『じゃあ行ってきます』


ガラッ



「変な人についていくんじゃないよー?」

『わかってるよ、佐助』


どこまでもオカンな佐助だった。




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