長曾我部軍の家臣はとても恐ろしく、強い方々なのです。




「っはー!!!!まーた負けかよ…」


盛親様は寝転がりながらそう吐き出す。


「はは…しかし盛親様も腕を上げましたねぇ」


この方は長曾我部軍の家臣、福留親政様でございます。元親様のご兄弟、ご子息など親しい人からは"隼人"と呼ばれているのです。


「よっしゃ、隼人!!次は俺とだ!」


そう言って信親は腰をあげる。


「では、参りましょうか」


そう隼人様が言うと木刀での手合わせが始まる。信親も力がある方ですが、隼人様の力は一回りも二回りも上なのです。


「…ちっ!!流石は隼人だな!!お前衰えってもんを知らねぇだろっ!!」


そう言いながらまた打ち込む。


「はて…どうでしょう?」


隼人様は信親の成長が嬉しいのか微笑みながらその一撃を往なす。


「…隼人とやっても勝てるわけないのに、兄上も盛親も往生際が悪い…」

「親和ぅうう!!ならてめぇがっ…隼人と手合わせしてみろ!!」

「いやですよ…」

『まあまあお二人共…』

「―――隙ありです」


隼人様はそういうと、信親の鳩尾に一発。


「ぐっ…!!」

信親はだぁんと音をたてて倒れる。


「いってて…」

「勝負…ありですなぁ」

「…ちっ」


悔しそうに顔を背ける信親と、汗一つもかいていない隼人様。やはり元親様の傍にいた月日が違うのでしょう、差が歴然でした。


「さて、茶にしましょうかねぇ」



――――――



「親益様、聞いておられるのですか?」

「…聞いてる」


親益様に説教をしているのは、同じく家臣の谷忠澄様。普段は温厚で賢くて、尊敬出来る方なのですが―――


「いつになったら、このようなくだらない事をお辞めになるのですか?」

「……………」


怒った時は誰も手がつけられないくらい、恐ろしい方なのです。それも軍を思ってのことだというのは、皆理解をしているのですが。


「ま、まぁ谷。こいつの悪戯好きはもう治らね―――」

「お言葉ですが親貞様、いい歳にもなって悪戯なんていうことを辞めないのか、というのは貴方様も同じくお考えでしょう?」

「いや、まぁそれはー、そのー」

「ならば辞めるように言わなければ始まりません」


凛とした声は誰も逆らうことが出来ません。神社の神職だった事もあり、その一言一言には説得力があります。


「――――俺いちぬけたっ!!」


忠澄様の注意が親貞様にいっている隙に、親益様は逃げ出しました。


「あっ、親房てめぇコラ!!!!」


慌てて親貞様が後を追います。残された私たちはと言うと…


「茅さん、重しを―――二つほど用意していていただけますか?」

『え?あ、分かりました』


では私は行って参ります、と言って普段は開かない忠澄様の目が開いた。これでは、あの二人も救い用がないでしょう。



適わない

(隼人ー、何食ったらそんな立派な身体になれんだ?)
(あ、そうそう!俺も気になってた!!)
(お二人共、十分ご立派ですよ……ん?あれは…忠澄?)


(逃っげろー!!)
(親房!余裕かましてる場合じゃねぇ!!谷が…般若の面みてぇな顔してんだぞ!)
(あれだけ言っても…まだわからないようですね…?)


その後、親貞様と親益様は忠澄様に捕まり半べそ状態で説教を受けていました。それを見つけた隼人様の手により、ようやく自体は収まったのだとか…。



―――――――――――――――

今回は家臣'sです!

因みに武器
隼人→オールラウンダーで何でも出来るとか
谷→あの、錫杖ってやつ

谷はとことん怖い。
常に背後に般若装備。
戦に出るときに頭に般若のお面つけてるイメージ。

隼人は優しい。
谷も隼人に言われれば渋々説教とかやめる。ある意味最強。だからみんなのヒーロー。


お付き合いありがとうございました!!


2011.02.28



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