私は普通の女子としては大きめの背丈なのですが、長曾我部軍のみなさんに囲まれれば勿論小さいわけで。






『あ、あの…親忠様』

「んー?なぁに茅」



おはようございます。
今朝もとても良い天気ですね。

なんていう会話を出来れば良かったのですが…


朝餉の支度をしていたらいきなり後ろから親忠様が現れまして、いつもなかなか起きないのに珍しいな、なんてことを思いながら続きに取りかかろうとしたら…


「今日も美味しそうだね」


そう言いながら私の肩に顎をちょこんとおきました。そのままそっと私の腰に手を回して、親忠様に包まれるかたちになってしまったのです。



『とっても、作業しにくいんですが』

「あぁ、気にしないで続けてー」



いや、そういう事ではなくて。



『私はしても良いんですが、親忠様が怪我をしてしまうかもしれませんし…』


「だーめ。茅が怪我するのもおれが怪我するのもどっちも許さなーい」


『や、それなら離れていただくのが一番の解決ほ――――うわ!?』



いきなり私の体に親忠様の全体重がかかった。

横目でちらりと確認すると――――やはり。親忠様は眠りにおちていた。


…綺麗な寝顔。


とりあえず、親忠様を横にさせたくて動こうとする。


『う、重い…』


身動きが取れなかった。


『親忠様ー、起きて下さい。せっかくの朝餉が冷めちゃいますよ』

「………………」


反応はない。
確かにこんな時間に起きたら誰でも眠くなってしまうわけで、親忠様なら尚更かなと思うと、ふと笑みがこぼれた。



「…なに笑ってるの」

『わ!?起きてらしたんですか?』

「んーん、今起きたとこ」


眠たーいと言いながら目を擦る親忠様。


『あの、絶対に起こすのでまだ寝ていても大丈夫ですよ?』

「嫌だ、茅と二人っきりなんてなかなかないしー…」

『え?』


ん、何でもないと言って私から離れた。



「やっぱり寝るね」

『え、はい』


一気に体が軽くなった。
それと同時に少しだけ寂しい気持ちになった。


「なに、寂しいの?」

『へ!?い、いえそんなことは…!!』


素直じゃないね、と微笑みながら頭を優しく撫でてくださった。



『あの、』

「ん、」

『長曾我部軍のみなさんてどうしてそんなに背丈が大きいんですか?親忠様なんてその中でも更に大きい部類じゃないですか…』


羨ましい…と小さな声で呟いた。


「え、もしかして茅も大きくなりたいの?」

『はい、もう少しだけ。みなさんに混ざっていると一人だけ浮いてしまうじゃないですか…何か秘訣とかありませんか?』


「んー、特別してることとかはないんだけどなぁ…しいて言うなら、」



よく寝て、よくべて、

(それくらいかな、俺の場合)
(あぁ…確かにそうかもしれないですね)


でも茅は小さいほうが良いな


と耳元に口を寄せ、囁かれた時には思考が停止してしまった。



――――――――――――――――



久しぶりの更新でしたすいません…!


こんな甘くなるなんて予想してなかったです\(^O^)/


久しぶりすぎてお話の書き方忘れましたてへぺろ


2011.07.29



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