長曾我部軍の方々は、共通して得意なことがあります。 「―――よっしゃあ!鯛だ」 「また盛親かよ…」 船の上で賑やかに釣りをしているのは信親と盛親様。 「信親ぁ、盛親ぁ、釣れてっか?」 「あ、貞叔父さん」 「鯛釣ったんだぜ!!」 「おーおー、流石は親兄の子だな」 そしてその様子を見に来た親貞様。 「だが、まだまだ親兄には程遠いな」 そう言いながら親貞様は二人の隣に腰を下ろす。 「この船で鮫でも一本釣りしねぇ限りは一人前にはなれねぇぞ」 そう、親貞様の言う通り元親様はとても大きな鮫を自身が使う武器で釣り上げてしまうのだ。 「あれは父上にしか出来ないことだろ!」 「お前らはその血を継いでんだから多分出来るっつの」 「貞兄、そうやって確証もないことを言わないで下さい。責任取れるんですか?」 呆れ顔で親貞様にそう言うのは親泰様。 「…お前なあ、別に言うくらい―――」 「貞叔父さん、顔顔!!」 「いや、信親…それ言われるといくらお前でも傷つ―――」 「お!またきた!!」 …さすがに今回は可哀想です。 親貞様は少し離れた位置で膝を抱え込んでしまいました。 『あのう…親泰様、』 「良いんですよ、茅。暫くほうっておけばまた戻ってきますから」 『あ…はい』 親貞様のことは眼中に入っていないらしく、盛親様が魚を釣り上げるのを網を持って待ち構えている。 「…よっしゃあ!!また鯛だぜ!!」 「よくやった!さすがは俺の弟だぜ!!」 お二人ともとても嬉しそうです。見ているこちらまで笑顔になります。 「釣れてるー?」 「親房、信親と盛親が頑張ってくれてますよ」 親益様が網を引きずりながらこちらに歩いて来る。その後ろには親忠様の姿も。 「それは良かった!こっちもサザエとか鮑とか海胆とか…大量だ!!」 そう、この二人は素潜りが得意で、魚以外の海の幸を採ってくるのが専門なのです。 『あ、手拭いです』 「ありがと!!」 「ん、さすが茅だね」 まだ身体が濡れていたので用意していた手拭いを渡すと、自分の身体を拭き始めた。 「…朝からうるさいと思ってたら、また釣りしてたの?」 『あ、お早うございます、親和様』 朝はあまり得意ではない親和様がこの騒ぎを聞きつけて、不機嫌そうに起きてきた。 「おう、親和。今日も遅いじゃねえの!!」 「信兄たちが早すぎるんですよ…」 まあまあ、お前も楽しもうぜ?と言いながら信親は親和に様に釣り竿を持たせる。仕方がない、といった感じで親和様も加わった。 釣りは俺らの (お!何だ何だお前ら、俺も混ぜろ!) (あ、親父!!) (カジキ釣ってくれよ、親兄) (もう復活したんですか、貞兄) こんなもん長曾我部軍の得意分野だ!! ―――――――――――――――― この後はみんなで宴です、partyです 2011.04.09 |