01 『――――っ!!!!』 私は飛び起きる。 (またこの夢…?) 昔の記憶――封じ込めた筈なのに、今でも夢となって蘇ってくる。 (父上…母上…) 無念で仕方がなかった。 私は小さくて、非力で、敵に向かっていく母上を止められずに…見殺しにしてしまった。 それに… 『誰なんだろう…』 母上は私達の希望は貴方たち2人だと言っていた。 だが、毎回もう1人の名前が聞こえない…わからない。 (私にとって、凄く大切な人なのではないだろうか) 思い出せないのが辛い。 『っ…母上…』 すると、 「咲様、」 『…はい』 「朝餉のお時間にございます」 『…わかりました、すぐに参ります』 兵士の方が朝餉の時間だと、私を呼びに来た。 私はすぐに着替えて広間に向かった。 [しおりを挟む] |