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――――助けて


何処からかそんな言葉が聞こえた気がした。
っていうか、何で俺様こんな真っ暗な所に…?

あ、確か風魔とやり合ってたんだっけ…?はは、情けない。護りきれなかったんだね、旦那と姫様。


自嘲気味に笑ってみる。




―――様たちには、手を出させません!!


…何で姫様の声が聞こえるの?え、何、俺様ってば姫様の事慕ってたとか?いやいや、そんなまさかー!
だって忍に感情なんていらないんだもん。

――持っちゃ、駄目なんだよ。


――――佐助様!


遠くであの子が、姫様が俺様を呼ぶ声がする。

何で、何で思い出すの?
お館様と旦那の命だから、護っていたにすぎなくて…でも別に嫌な気もしなかったような…?

あんなに素で話が出来たのは姫様が初めてだと思う。かすがだって素っちゃ素だけど…何か違う。


――もし、貴方が佐助様を殺すつもりならば…っ!!
私が代わりになります!


はは、何言ってるの姫様。血と漆黒は駄目だって言ってたじゃない。そんなことしたら死んじゃうよ…


「う…」


俺様の意識が、こちらへ戻ってきた。


『貴方は…っ!!私の両親を殺しても気が済まないんですか!?』

「―――、」


姫様、と言おうとしても上手く声が出てくれない。


『これ以上…っ私の大切な人たちを奪わないで下さい!!』

「……え」


今までに出したことのない、間抜けな声が出てしまった。何て情けないのだろうか。


『さ、佐助様!!』


お気付きになられたのですね!!と嬉しそうな、泣きそうな声でそう言った。

ただ身体が動かせず、立てもしない。姫様を庇う為に前に出ることも――出来ない。


―――――ちくしょう。



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