「…慶次」 「ん?どうした?」 私は慶次にずっと前から言いたいことがあった。 「私達って…恋人なのよね?」 前々から疑問に思っていたこと。 もう想いが通じ合ってから幾月ばかりか経つが、前の関係から進歩は無い。 「なぁに今さらそんなこと言ってんだよ!そんなの当たり前だろ?」 慶次はそうやって言いのけるけど、作った笑顔だということが直ぐ分かった。 最近はこんな顔しか見せてくれないのだ。 「…本当に?」 「え…?」 私が俯きながらそう言うと、慶次は驚いたような声をあげる。 「京の街の女のひととばっかり遊んでて私に構ってくれない…それなのに恋人?バカじゃないの!?」 私は怒鳴りつける。 キッと睨みつけると酷く傷ついた顔をしている慶次が目に入った。 「どうせ…私といても楽しくないんでしょう?」 「ち、違っ―――」 「ならそんな顔しないで!!!」 思いっ切り叫ぶように言う。 慶次は少したじろいた。 「私の想いを…っ返してよ!!!」 吐き捨てる様に言って、私は部屋を出て行った。 …名前を呼んで欲しかった。 追いかけてきて欲しかった。 「……馬鹿野郎っ!」 初めから昔の関係のままだったら、こんなに辛い思いをしなくて済んだのに。 「なんで…なのよ…」 何であの時、「うん」と返事をしてくれたの…? 溢れる涙とともにこの気持ちも流れてくれれば良いのに―― 「あいしてる」 大事に大事に鍵をかけたら ごみ箱へ捨てよう (憎める様な性格だったら、良かったのに) ―――――――――――――――――――― 四つ目は慶次。 一番時間かかって結局まとまらずっていう作品でした← title:M.I様より「祈りの言葉」 |