「おっはよーう!元親!!」

「おう」


なんっつーか…


「ねぇ、遅刻するよ?」

「おう」


こう…もうちっとよ…



「もー…先行くからね!?」

「……」


恥じらいを持てぇええぇぇぇえええ!!







「…はあ」

「Ah?どうしたよ、元親」

「いや…なまえなんだがよ、もうちっと恥じらいを持てねえものかと思ってな」


なまえはガキの頃からの馴染みで、いっつも一緒で、一緒に成長もしてきたが…


「最近になってアイツ、スカート短くね?とか思ってよ…」

「スケベ…」

「政宗に言われたくねえ」

「まあ、短いおかげでアイツの生足がfullに見れるから俺は良いけどな」


イラッ


「…?」

「どうした?」

「いや…お前の発言にどん引きしただけだ」



…なんだ?今の胸の奥がざわざわする感じ。


「なっ…あのな、俺は」

「ああ、次アイツの身体ジロジロ見やがったらぶちのめすからな?」


静かに政宗にそう言い放って、俺はなまえを捜しに行った。


「…ひゅーう、怖い怖い」







――――――――――――――――――――


「…やっぱここか」

「んぁ?その声は…元親か」

「正解…っておい、どこ登ってんだ」

「んー?良いじゃん!」

「いや、良いけどよ…」


屋上の給水タンクの上に座っているなまえ。

正直、目のやり場に困る。
なんであんなに短えんだよ!!


「…とーう!」

「んな…!?」


何の前触れもなく、なまえが飛び降りた。


「…おわっ!!」


俺の上に丁度良く落ちてきたようで、怪我はなさそうだ。


「危ねぇからいきなり飛び降りんじゃねえよ…!」

「だって、元親だったら絶対受け止めてくれるでしょ?」


それが当たり前、というように笑顔で俺にそう言ってきた。


きゅうっ


「…?」


心臓が、締め付けられるような痛み。
でも苦しいものじゃなくて、なんだか心地よかった


「…つか、おりろぉおおおおぉぉ!!」


いつまでお前は俺のに上に乗ってんだ!



「…やだね」

「ああ!?」



きゅううっ



「ねえ、知ってた?元親の心臓がさっきからおかしい症状のことを…」


なまえはにやりと笑って俺に言い放った。


それをと呼ぶらしい


(な、何言って…)
(だから、私がスカート短くしてたのも、元親のこと誘惑してたからなんだよ?)
(んなぁ!?)
(…嘘だけど)
(…ってめえ、一回痛い目見ねぇとわからねえらしいな…?)
(え…っきゃあ!?)


俺だって我慢してたんだよ!


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1周年企画!!

ヘタレながらも最終的には形勢逆転な元親。

ありがとうございました!

2010.12.31
2011.11.26 加筆修正





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