「こたー、ねえーこたろってばー…もう、」 さっきから小太郎に話しかけても返事がない。 もとから恥ずかしがり屋であんまり喋ってくれないけど… 「何でー!?」 今日は全然反応してくれない。 なんでだ…って、あれ?寝てる…? 「なんだ、寝てたんだ」 …良かったー、嫌われてなくて。 ほっと一安心。 「じゃあ、ちょっとお花でも摘んでくるね」 小太郎の頭を一撫でしてから森の中へと入った。 「うわあ…!いつ来ても綺麗…」 一面いろんな花で埋め尽くされた場所。 こんな絨毯があったら良いのになーって来る度に思う。 ここは小太郎が教えてくれた二人しか知らない秘密の場所。 「小太郎もかなり疲れてるよね…あの様子じゃ」 沢山任務があるらしく、私に会いに来てくれるのは仕事終わり。 疲れて寝てしまうことも少なくない。 「無理しなくても良いのに…」 確かに毎日会いたい。 でも私のせいで小太郎の貴重な時間が潰れている。 そう考えると… 「私と、もう会わない方が―――」 その時。 「きゃ…!?びっびびっくりしたあ…」 小太郎がいきなり背後から現れた。 いつも気配を消して現れるから絶対に驚いてしまう。 これでも大分気配を感じ取れるようにはなってきたのだが… 「ねえ、小太郎」 「…?」 何?といったように首をかしげる。 「無理して私に会いに来なくても良いんだからね?」 「………」 「だって、疲れてるでしょう?それに小太郎の貴重な時間が―――っ」 言葉の続きは小太郎の中へと消えていった。 「…っ!!」 これが初めて、というわけでもない。 小太郎は続きを聞きたくないと思うと接吻をしてくる。 「…っ、」 今日は何時にもまして長い。 ただ触れるだけなのにいろんな想いが伝わってくる。 暫くして、ようやっと解放してくれた。 「…、ごめ…ん」 ふるふると首を横にふる。それと同時に手が伸びてくる。 「!」 ぎゅうっと優しく抱き締められた。 「え、ええ?」 接吻はしてくるのに抱き締められたことは一度もなかった為、顔に熱が集まる。 そうして、私にしか聞こえない声で言った。 「…本当に?」 「…(こくり)」 「私もだよ!!…嬉しい」 急に抱きつくのはずるいね (俺が会いたいから…なまえが好きだから会いに来てる…駄目か?) (破壊力満載の言葉だね、私も好きだよ?) (………) (あ、照れてる!!) (………) (うあ!ちゅうはやめてえぇぇえええぇぇえ!!) 貴方は本当に愛おしくて、任務に集中出来ないくらいです。 ______________________________ 1周年企画!! 初小太郎です! 書いてみたかったんだ…っ!! ここの小太郎は喋れる設定ですその方が絶対楽しい^^ ありがとうございました! 2010.12.31 2011.11.26 加筆修正 |