どこかで道を間違えたのか、

「…ここどこぉおおおぉ!?」

道に迷いましたてへぺろ。



「あっれー、ちゃんと教えられた道通って来たのに…」


こっちの世界に来て早半年。
もとから方向音痴だった私にお使いという任務は難しすぎました、隊長。
幸村様のお団子の買い出しを頼まれてから3時間はとうに過ぎていた。

時刻は多分、もう陽が沈む頃で辺りは徐々に暗くなってきた。


「ど…どうしよう」


うう…知らない所で、しかも1人なんて怖い。ほら、私一応女の子だし?
遠くからは獣の遠吠えや風の吹く音が聞こえる。

涙目になっていたちょうどその時、


「お?嬢ちゃん、こんな時間に一人歩きは危ないぜ?」

あ、人だ…!!しかもこんなに沢山!
私がほっと一安心したのも束の間、その集団に囲まれた。



「えっと…?」

「ああ、悪いようにはしねぇさ…あんたが大人しくしてればな?」


周りの人たちは心なしか目がぎらついている。
あ、これはやばいやられる、いろんな意味で。


「あの、私用があって」

「あ?んなの関係ねえよ…やっちまえ」


リーダー風の男の人がそう言うと、私を取り囲んでいた人たちが一斉にこっちに向かって来た。



「!!」



刹那。



何が起こったか全く分からなかった。
理解できるのは、いつの間にか沢山の人が呻き声を上げて倒れていることだけ。


「――――」


どうして、と声に出そうとすれば遮られる。


「な、何者だ!てめえ…」

「何者かって言われてもねえ…?」


声のする方を振り向くと、そこには幸村様の部下の忍頭である佐助様が立っていた。


「さ、さすけさ」

「…まったく団子買うのにいつまで掛かってるのかと思って来てみれば…」


本当に馬鹿なんだね、なまえちゃんは…と言いながら私を立たせてくれた。


「ごっごごご迷惑をおかけしてすいません!」

「良いよ、別に…」


なまえちゃん捜すの、そんなに大変じゃなかったし。と言われたけど罪悪感。


「で?こいつら何?」

「わ、わかりません…いきなり襲われたので」

「……へえ?」


佐助様の纏う空気が一変した。
ざわり、と音を立てて佐助様の属性である闇が纏わりつく。
周りの人たちは自然と一歩後ろへさがっていた。


「ねえ、あんたたち」


続いて佐助様の口から出てきた言葉は、私が一番衝撃をうけた。



これは俺様の、んないで

(まあ、今回は逃がすけど次会ったら…殺すよ?)
(あの、さ、佐助様)
(ん、何?腰ぬけた?)
(いや、あの…)

((良かった…後ついてきて))

本心なのか冗談なのか、真実は貴方にしか分からない。



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1周年企画です。

こんな佐助は、このサイトらしくないですよね、ごめんなさいorz
でも満足です!!
かっこいいなと思っていただければ、本望です^^



2010.12.27
2011.11.26 加筆修正





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