「ねぇ佐田先輩。僕の病気さ、治らないんだって…僕もうすぐ死んじゃうんだよ」

「下らない嘘をつくなよ」

「嘘じゃない。僕は病気に殺されて死ぬんだ。でも僕、病気に殺されて死ぬとか嫌なんだ。…だから僕、今すぐにでも死にたい……でも一人で死ぬのは嫌なんだよ、寂しくて辛いと思うんだ」

「お前は我が儘だな…いつも」

「ごめん、迷惑かけて」

「迷惑だなんて誰も言ってないだろ」

「ごめん、…ねぇ佐田先輩。また僕の我が儘訊いてくれる?」

「なんだ?」

「僕と一緒に死んで欲しい………なんて」

「あぁ、いいよ。…それでお前を苦しみから救えるんだったら俺は喜んでお前と一緒に死んでやる」

「…ははっ、ありがとう。冗談半分で言ったたつもりだったんだけど、」

「もう半分は本気だった、って言うんだろ?」

「バレバレか。……でも…そんなのやっぱり駄目だよ。佐田先輩はまだ死んじゃ駄目だめだ。」

「なんだ、さっきと言ってることが真逆だな」

「そうだね。でも僕まだ生きたいんだ。僕と一緒に生、き…て」

「当たり前だろ。だから泣くなよ。…ずっと一緒に生きてやるから。もう死ぬとか言うなよ」

「ごめん。それからありがとう」






雨宮と佐田
20120105 13:31


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