※3ねたばれ






FFIが終わる。
ボクなりに最高の力を出して戦ったつもりだけど、果たしてちゃんと誇れる試合だったのだろうか。
師匠を見ると、悔しそうに笑っていた。きっと嬉しいんだろう。マモルに負ける事が。
FFIが終われば、ボクらは国へ帰らなくちゃいけない。
師匠はどうするんだろうなぁ、ジャパンに帰るのかなぁ、と思いながら、ジャパンエリアに一緒に向かった。

ジャパンエリアには、ナツミも居た。
そっか、ナツミともこれでお別れなんだ。
そう思ったら、胸がちくん、と痛んだ。……?
ボクに気が付いたナツミが駆け寄って来て、嬉しそうに笑った。
そうしたら、胸の痛みはすっと消えた。驚いたぁ。
ナツミは、リトルギガントの皆の様子を一番に聞いて来て、それから、ちゃんと試合後のケアはしたのかとか、睡眠は規則正しくしているのかとか、たくさん心配してくれた。
もうボク達のマネージャーじゃないのに、まだボク達のマネージャーみたいで、それが嬉しかった。ちょっぴり、悲しくもなったけど。
にへら、と笑うことしか出来なかったボクを不思議に思ったのか、ナツミは最後に俯きながら、ちゃんと泣いたかしら、と呟いた。
泣いたよ。皆で泣いた。
絶対負けない自信があったんだから。
だけど、それ以上に楽しかった。楽しい試合だった。
だけど、ボクは答えられなかった。
質問には答えを返さなくちゃいけないのに、返せない。
ナツミは何も言わずに顔を上げて、ジャパンに戻ってからの事を話し出した。
そうしたら、また胸が痛くなった。今度はズキンズキンと激しい痛みを訴える。
何これ、ボク、病気になっちゃったの?
黙ったままのボクをナツミは不安そうに見上げた。
ナツミをぎゅっと抱き締めると、胸の痛みが無くなった。ナツミ凄い。
ナツミはジタバタしてたけど、ボクの方が背も随分と高いし力も強いから、直に諦めて大人しくなった。
ナツミの耳元に口を寄せる。




「ナツミが居なくなった時に、泣いたよ」




泣き虫なボクとは随分前にさよならした筈なんだけどなぁ。
そう言えば、ナツミはガバッと顔を上げた。
真っ赤に染まった頬を見て、あ、今からナツミも泣くのかなぁなんて思った。











NLでお題第一段!
title by Aコース

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