三角関係的友情的親愛_32

「はぁ……俺たち、どうする?」
発した言葉は、あてもなく三人の間をさまよった。全てが明らかになり、またこれから何かが生まれそうな今、ここにいる全員が同じことを考えているだろう。
パズルの空白にぴたりとはまるピースはなく、無理に押し込もうとするならば、出っ張りを切り落とさなければならないのだ。そしてその決断をしてしまうのには、まだ早すぎるような気がした。

「俺は……わからない。とりあえず、まだ諦めはつかない。」
御影が呟き、奈津が続く。
「僕も、諦められない」

「じゃあ、とりあえずこのままでいいんじゃん?まだ若いんだし、先は長い」
後悔のない選択なんて、見つけ出すのは困難だ。選べたとしても、結果が出るまでは不安だ。そうなのだとしたら、無理に選択しないことも一つの道なのではないかと思った。御影と奈津を見ると、かすかに頷いている。


五時のチャイムが鳴る。
「帰ろう」
誰ともなく言い出し、立ちあがって昇降口へ向かう。若干の立ちくらみに、西日が眩しい。

腕で目を覆い、悠樹たちは門を抜ける。三人分の影が長くのびていた。





151229
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