三角関係的友情的親愛_29

まっすぐな太陽にシャツの白さが眩しく、じわりと汗ばんだ。
屋上へ続くドアは残念ながら施錠されており、仕方がないので、段ボール箱の積み上がった埃っぽい一角にしゃがみこむ。外の陽気とは対照的に、暗くひんやりと冷たい。
「どうしたの、僕に話って」
いつものように、二人で教室まで迎えに行った後、ここまで奈津を誘導してきたのだ。

「単刀直入に言う。俺は奈津が好きだ」
前振りもなく、ずばりと言う御影。
「えっ!?」
え……いやいや、驚きたいのはこちらの方だ、まさかあんなにわかりやすいハートマークに気づいていなかったとでもいうのか。恐ろしいくらい鈍いぞ。

「知らなかった……まさか御影くんが」
「しかも……奈津は知らないかもしれないけれど、俺達兄弟なのに……」
「あ、それは知ってた」
「マジか」
御影の邪魔をしないように黙っていようと思ったが、思わず口を開いてしまった。隣を見ると、御影は眼を見開いている。
「奈津……いつから……」
「いつからって……うーん、難しいな」
子供の頃、三人で遊ぶようになった頃には既に母から聞かされていたらしい。「御影くんは奈津のお兄ちゃんなんだから、仲良くするのよ」と。まったく初耳だが、なんと言ったらいいのか……。


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