三角関係的友情的親愛_27

「御影が奈津のこと、そういう風に思ってるって知って」
「……」
「もし奈津が拒否したら傷つくだろうから、俺が試してやろうと思った」
「……」
「っていう」
御影はショックを受けたような顔で固まっていたが、やがて感情を押し殺した声で喋りはじめた。
「じゃあ、全部俺のせいだったのか」
「そういう訳じゃ……」
「そうだろ。俺が黙っていればこんなことにはならなかった」
確かにその通りだが、と今度は悠樹が口をつぐんでしまう。

しばしの沈黙の後、御影が口を開く。
「……俺、悠樹には言ったけどさ、奈津に言うつもりはなかったよ。」
「え」
なんで。だってお前、いつか好きっていうつもりだったって言ってただろ。そう思って俺は行動したのに。
「確かにそうだった、けど弟だったって知ってからは考えが変わった」
「御影……」
「兄らしくしようって思った」
奈津は知らないだろうけど、と続ける。俺も知らなかったっつの。無表情に窓の外を見る御影に、だんだん怒りが込み上げてきた。

「そんな、急に無理だろ」
「無理じゃねえよ」
「まだ好きなくせに」
「好きじゃない」
「嘘だ」
「嘘じゃない」
だんだんやり取りがヒートアップしてくる。
「正直になれ」
「そんなこと言われる筋合いない」
「ある!」
「ない!」
「いいから本当のこと言えよ!」
「うるせえお前なんか奈津に好かれてるくせに!」
「やっぱり」
「あっ」

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